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電気グルーヴのロゴは、松下電工のロゴから着想を得た
タカノ:スージーさんのイラストは最初から今の画風だったんですか?
スージー:あんまり変わっていなくて、とにかく子供の頃から漫画が好きだったので、その影響が大きいです。赤塚不二夫さんとか藤子不二雄さんの漫画をよく読みました。
Celeina:そしてスージーさんは、ご自身のSNSのプロフィールで、わかりやすい代表作として電気グルーヴのロゴを挙げていらっしゃいますよね。電気グルーヴとお仕事をすることになったきっかけは何だったんでしょうか?

スージー:デビュー当時は『宝島』という雑誌の仕事をしていたんですけど、電気グルーヴの本が出るというので、たまたまそのデザインを任されたんです。本のタイトルが『俺のカラダの筋肉はどれをとっても機械だぜ』だったんですけど、あまりにも長すぎるから、編集者と「これじゃちょっとわかりづらいよね」と話していて。そこで、電気グルーヴをロゴみたいに大きくして、本のタイトルはサブタイトルみたいにしようと思いついたんです。「じゃあ電気グルーヴのロゴがいるよね」となった時に、とりあえず作ってみました。当時はパソコンが出始めたばかりで、直線だけのデザインだったので、イラレ(Illustrator)で作りました。
タカノ:そうだったんですね。
スージー:もともとは、電気会社の松下電工のロゴのテイストをいただているんです(笑)。
Celeina:確かに言われてみたら!
スージー:昔、ナショナルのカタログを見ていたらロゴが描いてあったんですよ。カタカナの「ナショナル」のロゴを見つけて、参考にできるなと思ったんですけど、漢字はどうすんのと思って探したら、漢字の「松下電工」のロゴもあったんです。「電」のロゴを参考にしようと思ったんですけど、雨冠を省略しちゃっているので、正確には間違いなんですよね。ただ、ロゴは細かく書くとぐちゃぐちゃして汚く見えてしまうので、ほとんどそのままアイデアをお借りしました。
Celeina:シンプルにするのが大事なんですね。
スージー:やっぱりそうですね。
タカノ:僕はスージーさんの作品は、電気グルーヴの『VOXXX』のジャケットで拝見しました。
スージー:あれは後ろの方の仕事でしたけどね。僕は前半しかやっていなくて、後半は田中さんというデザイナーの人がやられていました。彼らはロゴをかなり気に入ってくれていたみたいで、今でも使っていますよね。
Celeina:電気グルーヴと言えばこのロゴですよね。
スージー:この書体が出てくるとテクノ感が出るって言っていました。もともと電気屋のロゴだったんで、そのせいもある気がしますけど。
Celeina:隠された秘話がありましたね。
タカノ:貴重なお話です。
スージー:ただ、イラレの美味しいところをいただいただけなので、僕がやらなくても誰かがやっていたと思うんですけどね。良いタイミングで作ったんだと思います。
Celeina:面白い話を伺えました。「FIST BUMP」、今日はイラストレーターのスージー甘金さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann