『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)がいよいよ最終回を迎える。
第7話でTVerとTBS FREEでの無料配信再生数がTBS全番組の歴代1位(※TVer DATA MARKETINGにて算出【各話配信開始から8日間の再生数】)を記録するなど、多くの注目を集め続けてきた、通称「あんたが」。
最終回直前の第9話では、鮎美(夏帆)と勝男(竹内涼真)の前に大きな壁が立ちはだかる。
二人がヨリを戻すかどうかも気になる本作について、前半を振り返った記事に続いて、毎クール必ず20本以上は視聴するドラマウォッチャー・明日菜子がレビューする。
※本記事にはドラマの内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。
INDEX
自分の中の「当たり前」を見つめ直す鮎美と勝男たち

この冬の注目作『じゃあ、あんたが作ってみろよ』がいよいよ最終回を迎える。旧時代的な「男性らしさ」が充満していた勝男(竹内涼真)は、恋人・鮎美(夏帆)へのプロポーズ失敗を機に、料理を通じて、自分の中の「当たり前」を見つめ直す。かつて「化石男」と揶揄されていた勝男は、さまざまな人たちと対話をしていくうちに、自らの価値観を形成した両親や兄も「こうあるべき」に縛られていることに気づく。ときには真正面から熱くぶつかり、ときにはそっと見守りながら、上の世代の人々が抱える悩みにも寄り添っていった姿が印象的だった。
従来の「女らしさ」に縛られ、主体性がなかった鮎美も、さまざまな出会いと別れを繰り返す中で、見失っていた自分らしさを少しずつ取り戻してゆく。誰かに合わせるためではなく、自らの意志で染めた茶髪の鮎美は、それまでよりもずっと軽やかに映るのだ。