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アイナ・ジ・エンドが語る、30年間の軌跡。無名時代から、BiSH解散後まで

2025.6.9

#BOOK

「私、BiSHが大好きでした。みんなが違うところを向いているのも、ステージでひとつになれるところも大好きでした」

─BiSHに対しての記述はそこまで多くはないけれど、おそらく書こうと思えば、もう一冊本が完成するくらい書けたと思います。

アイナ:そうかもしれないですね。

─ラストシングル“Bye-Bye-Show”の振り付けを練習する最後のスタジオの空気、メンバー一人ひとりに対する思いを綴っているパートはグッときました。

アイナ:私も相当不器用だったけど、BiSHのメンバーもみんなかなり不器用だったなと思うんです。BiSHってよく「変なやつら」って言われてたけど、BiSHの中にいるときはそういう自覚はなかったんです。でも今になって「ウチらは変なやつだったんだ」って。そういうグループでしたね。会話とかも変でしたよ。ソロになって楽屋とかでバンドメンバーとかと普通に会話するじゃないですか。そこでスムーズに会話ができることにまず驚きましたもんね(笑)。これが普通なんだ、BiSHはみんなコミュニケーション能力がなかったのか。

例えば(セントチヒロ・)チッチは、多分仲良くなればなるほど会話がぶっきらぼうになるというか。それはいい意味でリラックスしてくれてるからで。そこに気を使ってもコミュ力を発揮できない私がいて、なんか空気が読めないけど可愛いモモコグミカンパニーがいて、ずっと喋ってるけどずっとどこかズレてるハシヤスメ・アツコがいて、変そうに見えて実はしっかり者のリンリンがいる、みたいな。

─アユニ(・D)さんはいつも黙ってそばにいてくれたと書いてますね。

アイナ:そうですね。彼女は加入時期が最後だったので思い出が他のメンバーより少なくて。アユニともっと喋りたかった、もっとぶつかり合いたかったって思ってたんです。でも、解散の3か月くらい前のホールツアー中にふたりで抱き合って泣いたことあるんですよ。

─ああ、ゴールが見えていたから。時間が足りないと思ったのかもしれないですね。

アイナ:そうですね。そのときにアユニが「今はもうアイナちゃんとはケンカも何もしたくない、もっと笑いたいだけなんだ」って泣きながら言ってくれて。本当はもっと2人でぶつかったり、仲良くしたりしたいんだって思いがあったんだと思います。私もあの子も。だから抱き合って2人で泣いたんだと思います。

─同じ気持ちを持っていたけれど、それを重ねるにはもっと時間が必要だった。

アイナ:だからBiSHってメンバー全員が違う矢印を向き続けてたんでしょうね。それがよかったんだと思います。本当にね、全員が同じ方向を向いてないのに、なぜかステージに上がると同じ方向が向けるという奇跡が毎回あって。私、BiSHが大好きでした。みんなが違うところを向いているのも、ステージでひとつになれるところも大好きでした。

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