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最終回直前になって気づく竹内涼真の丁寧な表現の蓄積

物語の後半でとくに印象的だったのは、淳一による罪の告白の場面だ。淳一は23年前、現金輸送車強盗事件の犯人であり圭介の父・清原和雄(弓削智久)を撃った大島伸和(白石直也)を、和雄の拳銃を使って撃っていたのだ。
誰にも告げられない罪の意識に苛まれて生きてきた淳一。第1話で秀之が殺された際に、凶器が和雄の拳銃であったことが明らかになった場面でも、過呼吸気味のまま水道で懸命に手を洗っていた。淳一は、洗っても落とせない人を殺してしまったという心の汚れを、どうにか、無かったものにしたかったのだろう。
第1話から積み上げられた淳一の葛藤は、第6話、第7話の南良による発砲事件の現場検証と遠回しな問い詰めにより、爆発する。うずくまり咳き込みながら「大島を殺したのは俺です」と告げた淳一は、息も絶え絶えだった。絶命した和雄を見た時の光景、大島を撃った時の拳銃の感触が、淳一の頭にこびりついているのがわかる。演じる竹内涼真の一挙一動、息遣い、大粒の涙が、淳一が抱えてきた苦しみの大きさを表していた。
その後、万季子に促されて、抱えてきた苦しみを吐き出した際にも、淳一は言葉に詰まって咳き込んでいる。伝えるべき言葉を選び、歪んでいく淳一の表情には、はじめて本当の気持ちを口にすることへの戸惑いが溢れていた。
生理現象に見えるような動作も含めて、淳一のトラウマを表現した竹内。淳一の罪があらわになった後だからこそ、竹内が第1話からどれだけ丁寧に淳一の葛藤を演じてきたかが理解できた。竹内は、誰にも明かせない秘密を抱える淳一自身に寄り添うように、その苦しみを体現していたのだ。