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全ての事件の黒幕は大物代議士・加賀見だった

中二病を再発させた50代の中年男性3人の物語は、回を重ねるごとに、エモーショナルになっていった。青春時代=懐かしい昭和の「あの頃」を振り返るプロセスは、楽しいだけのものではない。無邪気に思い描いていた理想の自分といまの自分とのギャップだけでなく、そこに至るまでの過程とも、向き合わざるを得ない。あの選択で良かったのか、あの時もっと上手くやれたんじゃないか。2025年の現在にユン、チェン、キンポーがやっているのはまさに、自分が歩んできた人生との対峙なのだ。
最終回直前となる第10話「マチルダの帰還」は、そんな3人の葛藤や決意が、プリンとラムネの対比を通して描かれる、ほんとうに素晴らしい回だった。
マチルダ捜索に巻き込まれた警察官・鶴見(濱尾ノリタカ)のファインプレーにより、ユンたちに白馬を加えた4人は、暴力団「白狼会」の構成員だった竿竹売りの鳥飼(村上航)を経由して、マチルダを葬った実行犯とされる「アホの八郎」こと多胡秀明(佐久本宝 / 梶原善)へとたどり着く。なぜマチルダは殺されたのか。それは、加賀見が黒江の婆さんの死に関与した証拠となるNo.12のビデオテープを、加賀見に断固として渡さなかったからだった。
加賀見といえば、ユンが兄・健人と共に若いころから世話になり、ユンの贈賄容疑にも関わっていた人物。贈賄容疑を追う警察の狙いは、もっぱら大物代議士である加賀見にあり、ユンの逮捕はそのための足がかりに過ぎなかった。そして4人は、いよいよ加賀見のもとを訪れる。すでに加賀見宅にいた健人に一度は阻まれるものの、ほどなくして面会を許される。秘書からは体調がすぐれないから会えないと言われていた加賀見は、にこやかにお気に入りのプリンを食べていた。