INDEX
【5月】大本命の春期は、①伝説的交響曲の蘇演 / ②アメリカの巨匠の筆捌きにうっとり
春にはほかにも注目すべきコンテンツが集まっているが、中でも強く心惹かれたのは2件。

まずは東京芸術劇場(芸劇)で5月10日に上演される『水野修孝 /“交響的変容”』。こちらは、このたび同劇場の音楽部門の芸術監督に就任する指揮者・山田和樹プレゼンツの衝撃企画だ。
「“交響的変容”という楽曲は1992年に初演されたもので、当時の会場は幕張メッセ、演奏者は700名超、演奏時間3時間という凄まじいスケールの大作である。とても再演は不可能と言われてきたこの曲が、内容はそのままに、芸劇のコンサートホールで上演可能なサイズへとアレンジされて蘇るのだそうだ。日頃音楽コンサートにはあまり縁がない筆者でさえ、そこには一体どんな音楽体験が待っているのか気になってならない。
そしてもう1件は個人的な大本命、アメリカの巨匠アンドリュー・ワイエスの回顧展(会期:2026年4月28日〜7月5日)である。

会場は、開館100周年を迎えて大盛り上がり中の東京都美術館。大規模なワイエスの回顧展が開催されるのは、担当氏の言葉をそのまま借りるなら「日本ではかなり久しぶりのご紹介でございます」。アンドリュー・ワイエス(1917年〜2009年)は20世紀アメリカ具象絵画を代表する画家で、精緻な筆遣いや乾いた空気感が魅力である。今回の回顧展では、こちら側とあちら側を隔てる「窓」「扉」といった頻出モティーフを手がかりにワイエスの絵画世界を読み解き、創造の軌跡に迫るという。できれば混雑を避けたいし、ぜひとも会期の早いうちに行っておきたい展覧会である。