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『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』亀山陽平監督に取材。工作少年がアニメを描くまで

2026.2.26

#MOVIE

マーベル作品にリアルさを感じた理由

ー『ミルキー☆サブウェイ』は亀山監督が脚本、キャラクターデザインから3DCGのモデリング、編集などまで、映像制作に関するほぼすべての工程を一人で手掛けています。そもそも個人制作のショートムービーから始まった企画ですし、監督のクリエイティブに対する気持ちの強さには驚かされるばかりです。子どもの頃から「モノづくり」に対する志向は強かったのでしょうか?

亀山:はい。父親が中学校の技術の教員だったので、昔から実家に工具がいっぱいあったんです。そうしたモノを作りやすい環境にいたこともあって、工作をしょっちゅうやっているような子どもでした。

ー立体物が始まりなんですね。少々意外でした。絵の方は、その頃はあまり?

亀山:そうですね。保育園児の頃から、絵も描くようにはなっていました。絵はどこでも描けるので、小学校に入ると描く機会が増えていった感じです。その頃はアニメをあまり見ていなかったので、既存のキャラを描くようなことはほとんどしていなかったです。ハリウッド映画の影響で、映画の登場人物をそのまま描くわけではないんですが、写実的な人物画をずっと描いていました。

ー「ハリウッド映画で育ってきた」とも先程おっしゃっていましたが、興味を持たれたきっかけはなんだったんですか?

亀山:保育園児のときに見た『ハリー・ポッター』シリーズの影響がだいぶ大きかったです。魔法界の描写を始め、『ハリー・ポッター』シリーズの、特に初期の映像のディティールの作り込みは今見てもすごくて。あの映像にのめり込ませる力は今でも尊敬しています。

ー他にも、ご自身の原体験のように感じているものはありますか?

亀山:大きかったのは、ディズニーランドに行った経験です。やっぱり、世界観の作り込みがすごい。工作好きに繋がりましたし、「立体物を通してその世界観に入り込む」というディズニーランドの考え方には、自分がモノを作るときの発想の仕方に、すごく影響を受けています。「普段と違う世界に入り込む」ということが、とにかく小学生の頃の自分にとっての理想だったんですよね。

小学校生活の後半になってくると、レゴで遊んだりもしたんですけど、その遊び方もお城を建てて、その中で物語を構成して……と、世界観を楽しむ感じだったんです。ゲームとかもあまり得意じゃなかったので、一人でごっこ遊び的なことをずっとやっている、当時としてはちょっと珍しい小学生だったかもしれません。

ー面白いのが、ここまでのお話だと、世界観への関心が一貫して強い。でも監督の作品はキャラクターもとても立っていますよね。キャラクターに関心を持ったきっかけはあったのでしょうか?

亀山:たしかに作品の世界観が好きで、キャラクターに対してフォーカスしたことはあまりなかったですね。キャラクターを意識するようになったのは高校生以降で、きっかけはマーベル映画にはまったことです。最初は単純に「スーパーパワーってかっこいいな」くらいの入口から見始めたんですけど、あのシリーズはキャラクターの描写だったり、掛け合いだったりが魅力的で。シリーズの一番の魅力に、キャラクターの存在があると思うんです。

ー確かにマーベル映画のキャラは、どれも立ってますもんね。

亀山:マーベル作品の何がいいかというと、それぞれのキャラがまず単独で映画の主人公として生きていて、それが最終的に一本の映画の中で掛け合いをするようになることなんですよね。ストーリーの都合でキャラが作られていない。それがとてもリアルだと感じたんです。

特に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、キャラクターの掛け合いでできた映画の究極で、もうとにかく収拾がつかなくなって、ひたすら喧嘩をしている(笑)。単純な「正義と悪」ではなく、それぞれのキャラクターが背負っている事情が重なる、リアルな流れが面白く描けている映画として印象に残っています。実際の人間って、そうじゃないですか。何か物語のために機能しているわけではない。だからより正確に言えば、影響は受けていますけど、「マーベル映画が好き」というよりかは、クロスオーバーものの話の構成が好きなんだと思います。

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