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Gateballersインタビュー。バイク事故を経て形にした「戦わない」バンドのあり方

2026.2.11

Gateballers『Gateballers』

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ロックバンドにおけるセルフタイトルアルバムとは、絵画における「無題」のような解釈の余地を引き伸ばすための戦略ではなく、自己定義と研鑽の末に到来する最小単位の思念的爆発である。

Gateballersの4作目のアルバム『Gateballers』を再生し、40数分が経過した頃には、その意味がわかるはずだ。

しかしながら、そこにはマッチョイズムの影もなければ、ストイシズムによる肩肘を張った緊張感すらない。バンドのソングライティングを担う濱野夏椰(Vo / Gt)と朴訥としたドラマーの久富奈良(Dr)、2人は様々なメンバーと時間を共有しながら、10年以上も共に航海を続けてきた。その旅程が『Gateballers』では幸福に満ちた表情で刻まれている。

濱野のホームである「伊豆スタジオ」を拠点に、今作はロックのみならずディスコやラテンミュージックも聴こえるバラエティ豊かな1枚に仕上がった。”Tシャツ vs 雨”ではくるりの岸田繁がオーケストラアレンジで参加、その彩りを優美に強調している。

今回はアルバムの骨子を担うバンドとしてのスタンスを紐解きながら、2人に『Gateballers』を解説してもらった。ぜひご一読いただきたい。

Gateballers(ゲートボーラーズ)
左から久富奈良(Dr)、濱野夏椰(Vo / Gt)
2013年東京にて結成。サイケデリックかつポップな独自の音楽性で注目を集め、フジロック等の大型フェスにも出演。結成10周年を経て、2026年2月11日にセルフタイトルを冠した渾身の4thアルバム『Gateballers』をリリース。不屈の精神と進化したサウンドを武器に、東名阪ワンマンツアーを皮切りに新たなステージへと突き進む。

10代の頃から変わらない「戦わない」ということ

─去年のインタビューで濱野さんが「次はもう一度、地上に戻ります」とおっしゃっていたんですが、まずはその発言を踏まえた上で、Gateballersにとって今作がどのような位置付けのアルバムになったのかを伺いたいです。

濱野:2020年に事故(※)で手を怪我する前は、「人間より音楽のほうが偉い」って思ってたんです。音楽というアートを歴史の前後や文脈を踏まえた上で、それでも人と同じことをやりたくないというか。メンバーが誰かと同じことをしてたら「ピピピピピピ! (笛を吹くジェスチャー)」みたいな(笑)。自分にも他人にも厳しくバンドをやってたんですよね。

※2020年にバイクによる交通事故により両手首を折る大怪我を負い、その影響で胸郭出口症候群を発症

濱野:だけど怪我をして、自分や他人へのハードルを下げざるをえなくなっちゃって。それ以降のEPでは「みんなが楽しかったら、それでいいよね」っていう一度もやったことがなかったことにトライしたんです。そういう意味で地上に降りたんですよね。

濱野夏椰(Vo、Gt)

久富:ただ、別に今も丸くなりきってないというか。バンドとして誰でもできることをやってるとは思ってないんです。夏椰さんの内面は変わったかもしれないけど、バンドとしては全然変わってない。

濱野:変は変、だよね?(笑)

久富:うん、変は変。

─どこが変だと思います?

久富:夏椰さんって本当にあらゆることができる⾳楽家なんです。アンビエントとか、実験的なことでも確信を持って良いものを作り上げられる。それができる上でGateballersでは、ポップに落とし込んで開かれていて、かつ誰も聴いたことないものを⽬指してるっていう稀有なミュージシャンだと僕は思っていて。それが変というか、特別なところなんじゃないかと思います。

久富奈良(Dr)

濱野:Gateballersとは別の場所でプロデュースとかアレンジャーをやってきた経験を踏まえた上で、自分たちの何が変なのかを今考えてみたんだけど……まあ、そもそもこれまで誰かと比較したことがないんですよね。他のバンドと競争も勝負もしてないというか、目指しているゴールがだいぶ違う。

その考えは1stアルバムとか、なんなら10代の頃からあまり変わってなくて。戦わないこと、というか。

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