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「個人の実験」を「街の表現」へ。求めるのは、公共空間を実験場にするための覚悟と責任
ー『DIG SHIBUYA』の開催期間中、毎年様々なプログラムが行われていますが、一般公募の中からどういった基準で選考しているんですか?
宮本:『DIG SHIBUYA』は、渋谷区役所だけではなく渋谷区商店会連合会の会長がトップを務める実行委員会を編成しており、まさに街全体が主体となって公募を行います。今年は国内外から約60団体のエントリーがあり、久納さんをはじめとする選考委員の方々によって、最終的に11団体のプログラムが選ばれました。
選考において私たちがまず重視しているのは、「実行能力」があること。どんなに素晴らしいアイデアでも、複雑な都市空間である渋谷で展示まで辿り着けなければ意味がありません。実現性と新規性の両立、そして何より、最後までやり遂げる力は、大きな評価ポイントになっています。
久納:実行委員会の方々にとって、公共空間を実験の場として提供することは、同時に、その「責任」も引き受けることを意味します。ただ「自分が実験をしたいから」という動機だけではなく、それを実行委員会や来街者とどう一緒に作り上げ、共有できるか。そうした「コラボレーション」の視点を持っていることは、とても重要な要素だと思います。
あとは「渋谷らしさ」ですね。ファッションやストリートカルチャーが根差している渋谷で、「ART x TECHの実験中。」というテーマに対して皆さんが興奮してくれるクオリティであるか。そして、その作品を通じて対話を促す要素を持っているか。そういったことを総合的に考慮して選考しています。
宮本:また、海外からの応募も毎年驚くほど多く、今年も半分以上が海外からのエントリーでした。やっぱりスクランブル交差点で自分の作品を出してみたいという思いは、海外のアーティストにとって非常に強いようです。彼らにとっての渋谷は、どこかサイバーパンク的な雰囲気を感じさせる象徴的な場所。あの風景の中に自分の作品を置きたいという、熱意のこもったレターをいただくんです。
ー海外のクリエイターにとっても、渋谷はアート表現の場として魅力的な場所なのですね。
宮本:特に象徴的なのが、スクランブル交差点にある大型ビジョンをジャックするプログラムだと思います。深夜の1時間、すべての広告を止めて、アーティストの作品だけを放映する。普段は商業広告しか流れないビジョンをアートに開放するという具体的なアクションが、強烈なアイコンになっているみたいです。

2/13(金)・14(土)24:00~翌1:00 at 渋谷スクランブル交差点前