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「宇宙」という視点=重力から自由になること
そしてXGの未定義性を支える核は、他でもない、音楽に宿っている。『THE CORE – 核』は、エッジィなガラージ曲“GALA”や、フューチャリスティックなR&B“NO GOOD”、軽快なダンスチューンの“HYPNOTIZE”、ポップパンクな“O.R.B”、正統派ブーンバップに乗る“PS118”等、実に多様な音楽ジャンルが投影されている。
だが、そのサウンドの核には、やはり一貫してヒップホップ / R&Bが据えられている。様々なジャンルを、2026年のヒップホップ / R&Bマナーを使って再編集したような音楽性だ。ギターが弾けるロックナンバー“O.R.B (Obviously Reads Bro)”すらも、やはり構造の重心はヒップホップ~トラップにある。このブレない軸が、本作の未定義な状態が生み出す「わくわく」を支えているように思う。
ここで重要なのが、XGが掲げる「宇宙」という視点。自らを宇宙人と称し、「X-GALAXY」という銀河を描くような設定は、地球上の序列(ジャンルの正統性はもちろん、国籍や人種、ジェンダーまで)から一度距離を取るための観測点として機能している。明確な核があるからこそ、視点を宇宙に上げることができるのだ。拠点は地上に残したまま、重力から自由になる。この跳躍が、XGの「わくわく」を可能にしている。
