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ラスマス・フェイバー、ハウスへの回帰。アニメ音楽を経て辿り着いた「現在地」を語る

2026.1.9

ラスマス・フェイバー

#PR #MUSIC

スウェーデンの音楽家ラスマス・フェイバーにはいくつもの顔がある。プロデューサー、作曲家、編曲家、ピアニストなど、多面的な活動を展開する彼は、とりわけ日本では、アニメの名曲をジャズアレンジしてカバーする「Platina Jazz」シリーズや、数々のアニメ作品を彩る劇伴作家として、その名を知る人も多いだろう。

しかし、彼のアーティストとしての出発点は、2000年代初頭のハウスミュージックシーンにある。ケニー・ドープやルイ・ベガ、TOWA TEIなどの第一線のDJたちが、彼の作るエレガントで、メロディアスで、洗練されたトラックをこぞってクラブでかけ始め、一躍ハウスシーンの寵児となった。

その後、活動の領域をネオクラシカルやジャズ、アニメ音楽やゲーム音楽などの世界へと広げてからも、ハウスミュージックのプロデューサー / DJとしてのスピリットは根底に常に流れていたと言っていい。

そして2025年、彼は初期を思わせるカラフルでロマンティックで美しいハウストラックスを連続リリースし、再びこのシーンへと帰還した。2000年代初期から彼の曲で踊ってきたリスナーにとっては嬉しい出来事である。

クリスマス休暇前の自宅でラスマスを捕まえ、ハウスミュージックのクリエイターとしての彼に話を訊いた。パソコンの画面越しでもわかるような、ジェントルマン&ナイスガイな話ぶりが印象的だった。

ラスマス・フェイバー(Rasmus Faber)
スウェーデン生まれのプロデューサー / DJ / マルチキーボーディスト。著名なジャズミュージシャンの父を持ち、幼少期からピアノを学び、ジャズピアニストとしてキャリアをスタート。ハウスミュージックへと活動を広げ、デビュー曲“Never Felt So Fly”や代表曲“Ever After”で世界的評価を確立する。日本では『So Far』『Where We Belong』などのアルバムで、ハウスシーンを越えた人気を獲得。日本では、数少ない外国人作曲家の一人としてアニメ音楽制作にも進出。ジャズと日本のアニメ音楽を融合させた『Platina Jazz』シリーズのプロデュースでも注目を集め、ジャンルを横断する唯一無二の存在として支持されている。

「長いサイクル」が一周し、再びハウスへ

─2025年になってから、ハウスのトラックを連続リリースされていますね。

ラスマス:実を言うと、2024年あたりから自分のなかでハウスミュージックとの繋がりを再び強く感じるようになっていたんです。今回リリースした楽曲自体は数年前から温めていたアイデアでしたが、以前はまだリリースするには適切な時期ではないと感じていたんです。当時の自分の興味は他に向いていたし、ハウスミュージックのシーンも僕が鳴らしたい音楽性とは少し異なっていたので。

2025年にリリースされたハウス復帰第1弾シングル

ラスマス:ですが、ようやく今、それらが1つにまとまったように感じたんです。長い年月を経て、ある種の大きな「サイクル」が一周して最初に戻ってきた、ということなのかもしれません。そんな、極めて自然なタイミングでの回帰と言えると思います

─今回リリースしている曲は、2019年のアルバム『Two Left Feet』ともまた異なる、初期の頃の音楽性に戻っているような感じもあります。それは意識してのことなのでしょうか?

ラスマス:その通りです。というのも、前作の『Two Left Feet』は、僕にとって少し特殊な位置付けの作品でした。2010年代は世界的なEDMのブームが来ていて、僕もそれに合わせて、フェスティバルスタイルでDJプレイしていましたが、心のどこかで「自分の居場所はここではない」と違和感を拭えずにいましたし、かといってEDMのシーンに迎合しようという気もなかったんです。

ラスマス:だからこそ、EDMブームが下火になり始めたとき、自分なりの「カウンター」として、メロウで落ち着いたアルバムを作ろうと思ったんです。ハイエナジーでエレクトロニックなEDMシーンに対して、僕はあえてスローテンポでライブ感のあるサウンドを作ろうと。こうして自分なりの反抗として実際に作ったのが『Two Left Feet』でした。

─なるほど。EDM全盛期の頃は、やはりどこか「やりにくさ」を感じていたのですね。

ラスマス:世界的なEDMブームが来ること自体は自然な流れだと感じていましたが、抗うのは決して容易ではなかったですね。

クラブシーンはフェスティバル中心のものへと変貌し、EDMは、僕が大切にしてきた「楽器の生演奏」や「ジャズ、ラテンなど他のジャンルからの影響」といった多くのものを奪い去っていきました。僕だけでなく、同じような不自由さを感じていたミュージシャンは多かったんじゃないかと思います。

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