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『グッドワン』インディア・ドナルドソン監督に聞く、17歳の少女が抱く孤独と救いの形

2026.1.15

#MOVIE

本作を通じて示そうとしたのは「観察の力」

―本作は「聞くこと」に焦点を当てた作品だと感じました。社会では発言することが重視されがちですが、監督は聞くことの重要性をどう捉えていますか。

ドナルドソン:聞くことの大切さは、まさにこの映画の最重要テーマの1つです。主人公のサムは会話の中で主に聞く側にいますが、聞くことでその場に参加し、感情を動かしています。その静かなプロセスを、撮影と編集の両面で丁寧に伝えようと注力しました。

リリー・コリアス演じるサム / ©2024 Hey Bear LLC.

―一方で、本作の中年男性たちはよく話す存在として描かれていますね。

ドナルドソン:男性たちは互いに話し合ったり、沈黙を埋めるためだけに話したりしますが、サムは常に内容の裏側まで気を配っています。私はサムの静かな観察の力を示したかったのです。男性たちはサムの話を聞きませんが、代わりにカメラが聞いています。撮影においてカメラは、常にサムの心に耳を傾けるというアプローチをとりました。彼女の表情や感情の揺らぎを逃さないように、です。

左から、ダニー・マッカーシー演じるマット、ジェームズ・レグロス演じるクリス(サムの父親)/ ©2024 Hey Bear LLC.

―キャンプファイヤーのシーンで、マットと話すサムの表情を逃さないように捉えるカットが印象的でした。手前のマットも映しながらサムの顔を映す演出にはどのような意図があったのでしょうか。

ドナルドソン:マットが不適切な発言をした直後の、彼女のリアルタイムな反応を見せたかったのです。最初は月の話をしていて楽しげだったのが、不意を突かれる形で不快な話をされる。その瞬間の困惑や、どう反応していいかわからない表情をしっかり捉えたかった。

あのシーンを細かなカット割りで編集したくなかったんです。観客が、あたかもその場にいて彼女たちのそばで会話を聞いているような感覚。サムとマットが物理的に近い距離にいるその空間の緊張感を、そのまま見守るような表現になるように目指しました。

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