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ドラマ『シナントロープ』が描く「居場所」を取り返そうとあがく人々

2025.12.22

#MOVIE

©此元和津也 / 「シナントロープ」製作委員会
©此元和津也 / 「シナントロープ」製作委員会

鮮烈だったアフロ演じる久太郎の最期

どこか憎めない純粋さと切なさを持った久太郎(アフロ)©此元和津也 / 「シナントロープ」製作委員会
どこか憎めない純粋さと切なさを持った久太郎(アフロ)©此元和津也 / 「シナントロープ」製作委員会

そして、何より鮮烈だったのは、第11話におけるアフロ演じる久太郎の最期である。服従しなければならない相手である折田に全力で抗い、最後まで挑発することをやめない久太郎の姿には、テレビ越しに彼の死なない未来を祈らずにいられなかった。久太郎は、折田率いるバーミンの一員であり、「シナントロープ」を脅かす側の人間でありながら、どこか憎めない純粋さと切なさを持ったキャラクターだった。

アフロが発する久太郎の言葉の数々は、ドラマ『宮本から君へ』(テレ東系)でエンディングテーマ、『錦糸町パラダイス~渋谷から一本~』(テレ東系)で主題歌を担当してきたMOROHAの音楽性をそのまま身体に宿したかのようであった。故郷・沖縄への愛、日常の些細なこと、死に至る時に何を思うのか、「そろそろ人間にも羽が生えたらいいのに」という希望——それらの言葉によって、久太郎は、彼の生きる非日常的な世界を視聴者が生きる日常と接着させ、さらには、誰しも潜在的に抱く、生と死を巡る様々な哲学的問いにまで広げていった。だからこそ、多くの視聴者が、久太郎の人生に寄り添わずにいられなくなったのではないか。また、久太郎は、折田が固執している父親について深く言及するなど、唯一、正面から折田とぶつかろうとする存在だった。第11話での折田との対峙の果ての久太郎の死は、折田自身を、より救いのない状況に置いたと言える。

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