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インディと歌謡を融合させたGuibaの大きな到達点を取材。紅白出演を目指し邁進中

2025.12.2

Guiba『万祝』

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バンドの優先事項は「人が喜んでくれる」こと

ー新しいアルバムに関しても、特に方向性やテーマがあったわけではない?

アカツカ:そうですね。もちろん話し合うんですけど、そういうものは僕にとってあんまり重要じゃないというか……。日本人のリスナーはほとんどメロディーしか聴いてないと思っていたけど、セカンドを出した後ぐらいにメンバーから「歌詞も相当重要っぽいよ」みたいなことを言われて。だから今回、歌詞を頑張ったアルバムではあるんです。全部の曲に別々の主人公がいて、それぞれを物語として作るというコンセプトがあったので、歌詞についてはセカンドよりブラッシュアップできてると思いますね。

ーもともとは歌詞にも興味がなかった?

アカツカ:全然重要視してなかったです。South Penguinの歌詞とか、マジで意味わかんないですし。語感とか、言いたい言葉があるから、それを無理やり入れて作っていて、歌詞は二の次、三の次でした。South Penguinはそれでよくても、Guibaは歌ものと言ってるので。日本語で歌うんだったら、愛だの恋だの、もっとわかりやすく歌詞を書こうというのはファーストの頃から考えてました。

ーもともと歌謡曲やJ-POPも好きで聴いてたわけですよね?

アカツカ:歌謡曲やJ-POPも僕は全く歌詞を気にしてなくて。今は自分が歌詞を書いてるので注目してもらえるともちろん嬉しいですけど、何を歌ってるかさっぱりわからない状態で聴いてたんですよ。変な思想が入ってたりとか、嫌いな言葉遣いだとか、そういうネガティブな部分が強くなかったら全然いいかなと思ってます。人の音楽はあまり気にならないですね。さっきから「音楽に興味がない」ということを言い続けてますけど(笑)。

ーちなみにTalking Headsにハマったのはどんな理由だったんですか?

アカツカ:それこそ歌詞ではなく、メロディーとか歌い方、バンドアンサンブルがめちゃくちゃフィジカルに訴えかけるような音楽で、直感的に「かっこいい!」と思っただけです。僕は過去にもバンド経験があるおかげで、過去の自分が喜ぶような音楽をやらなきゃいけないというしがらみはもうないんですよね。今は人が喜んでくれることがやりたいので、アドバイスをもらったら積極的に取り入れてやってる感じ。10代や20歳そこそこのときに、自分が30歳近くになってこういう音楽をやってるよって言ったらガッカリするかもしれないですけど、でも過去の自分の何かを諦めてGuibaをやってるわけではないんです。

ーSouth PenguinとGuibaとでは、音楽への向き合い方が違うだけ。バンドをやることは自己実現が目的のようなイメージもあるけど、必ずしもそうじゃない。アカツカさんの場合はそれをSouth Penguinで消化できたからこそ今のGuibaがあって、以前とは違う気持ちで、楽しんでバンドをやれてる。

アカツカ:ここまでの話だと、ただ自分がないやつで、人の意見ばっかり取り入れて音楽をやってるって聞こえるかもしれないですけど、それはそれで、今バンドを楽しむためのスパイスになっていて。バンドは別に、自分の頭の中の音を具現化するためのツールじゃないんだなって、Guibaをやって初めてわかってきたんです。最初からGuibaみたいな音楽をやってたら、もっといろんなものに憤ってたと思うんですよね。「なんでこれが評価されないんだ!」「なんでもっと売れないんだ!」って、もっともっと思ってたと思う。今はそういう焦りはなくて、まだ叶えられていない「紅白出場」という夢のためにもっと頑張っていこうじゃないかって、前向きに思える。そうやって考えながらバンドをすることがすごく楽しいんですよね。まあ、手っ取り早く売れたらそれが一番いいですけど(笑)。

ーなかなかそうはいかないですよね。

アカツカ:そんなうまい話はないと思うので、いい曲を作り続けるしかないかなとは思ってますね。

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