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一日の終わりに届けた強い意志とメッセージ
約40分間の即興演奏をやり切って、息が上がった状態でステージを離れた粉川 心の姿を見届けた後は、O-EASTに移動してGEZANを途中から観る。

美しいライブ。ステージの上で、マヒトゥ・ザ・ピーポーは「言葉は天国に持っていけないから、生きてるうちに使わないといけない」と言っていた。

GEZANを最後まで見届けて、O-nestで既にライブを始めているSuiseiNoboAzを観に行く。O-nestの扉を開けると、名曲“3020”を演奏していた。アンコールで石原正晴は「俺たちの音楽は無意味だ」と言い、「無意味なものを楽しむことは、戦争などへのひとつの抵抗なんだ」というふうに言っていた。

たとえば「無力」という言葉は、本当に力がないのではなく、「無力」という言葉だけに宿る力がある。「無意味」という言葉もそうだと思う。一つひとつの言葉を吟味し、そこに迷いも確信も抱きながら、それでも覚悟を持って言葉を言ったり書いたりする人が、その言葉を世界に放つとき、「無意味」という言葉の奥にだって強い意志が芽生えている。その意志をちゃんと感じ取りながら、僕は「無意味」という言葉に向き合いたいと思う。

SuiseiNoboAzを最後まで観て、帰路につく。『exPoP!!!!!再会』を締め括る最後のアクトの場所がO-nestでよかったなと思う。僕はコロナ禍に入るまで、たぶん3、4年くらいの間だろうか、ほぼ毎月『exPoP!!!!!』のレポートを書かせてもらっていた。その前には1人の客として参加したことも何度もあった。思い出深いライブをたくさん観たイベントである。本当に素晴らしいイベント。長く続いてほしいと思う。