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深い没入感と、40分に及ぶ即興演奏
そしてO-EASTに移動し、OGRE YOU ASSHOLEのライブを観る。O-EASTのフロアに入ったときにはまだセッティング中だったが、4人の機材の間隔の近さにまず驚く。この「近さ」が、彼らのアンサンブルにとって大切な要素の一つひとつなのかもしれない。そしてひとたびライブが始まれば、演奏に完全に惹き込まれた。「長いトンネルを抜けると雪国であった」とでもいうような、曲の始まりからぐーっと深く没入していき、ハッと気が付いたらとんでもない景色が広がっている感覚。気づけば自分も踊っているし、周りの人たちもめちゃめちゃ踊っている。

1曲ごとに自分という存在の「内」と「外」を往ったり来たりするような、そんな「没入と解放」を繰り返すそのパフォーマンスは、どこかで「個人と社会」というものの関係を示唆しているようでもある。

OGRE YOU ASSHOLEのライブを最後まで観た後は、お腹が減ったので1度、会場の外に出て腹を満たす。その後、7thFLOORでSHIN KOKAWA sublime bandを観る。元jizueのドラマーである粉川 心と、トランペットの類家心平、ピアノの魚返明未が繰り広げる約40分間の即興演奏。ドラムも、トランペットも、ピアノも、こちらの固定観念を打ち壊すような演奏を繰り広げながら、大きなうねりを生み出していく。

3人の演奏が映し出す光景は、ときに激しい荒波のようであり、ときに切ない夕景のようでもあった。演奏している3人の間にはどんな景色が見えているのだろうか。目を凝らすようにして他の2人のプレイを見つめたり、まったくもって自分の内側を見つめているようだったりする3人の演奏する姿を観ながら、そんなことを感じる。

