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downy、Qoodow、阿部芙蓉美、ライブハウスの扉を開くたびに音楽性を横断
13時からのスタートで、予定されているラストは22時近い。ずっと立ちっぱなしだとさすがに足腰が爆発してしまう。というわけで、和久井沙良のライブを観た後は1度会場から離脱し、外でコーヒーを飲んだ。会場に戻ってきてからはO-WESTでdownyを観る。

重く、鋭利なアンサンブルと、人間の歌。そう、人間。downyの音楽はとても「人間」という感じがする。過剰にエモーショナルになることもなく、わざとらしい言葉を歌うこともなく、極めて醒めながら、「人間たちがそこにいる」ということを感じさせる。
バンドの演奏とVJによる映像演出が重なることで生まれる独創的な音楽体験。メンバーのシルエットにも静かな迫力が宿る。後で調べたら今年で結成から25年だという。もちろんプレイヤーとして、人間としての成熟はあるだろうが、downyというバンド自体には特別な「鮮度」がずっと保たれているような気がする。その鮮度は、言い方を変えれば、「尊厳」でもあるのではないかと思う。

O-WESTでdownyを観た後は7thFLOORで梅井美咲とコラボするというゆっきゅんのライブを観ようと思って向かったのだが、道路を挟んだ会場の向い側まで人が並んでいて入場規制ができているようだったので、並んでいる時間が勿体ないと思い、断念。再びO-nestに行って、初体験のQoodowのライブを観ることにした。

会場の扉を開いて、その音を聴いた瞬間から「来てよかった!」と思う。瑞々しくて鮮やかなギターのサウンド。リズムはトライバルな踊れる感じがあったり、クラウトロックのように直線的になったり、曲によってバリエーションがとても多彩。歌には儚さがあるが、その儚さを、とても大切なものとして聴き手に届けようとするような覚悟を感じた。

一気に大好きになったQoodowのライブを最後まで観た後は、「なるべくフルで観る」という制約を持たせず、次に行く予定のO-EASTでのライブが始まるまで他会場をうろつく。観れたのは少しの時間だったけれど、バイオリンと2人でduo MUSIC EXCHANGEのステージに立っていた阿部芙蓉美の歌声は、あまりに巨大なインパクトだった。

