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時代の変化によって生まれた、それぞれの疑問に向き合う登場人物たち
『こっち向いてよ〜』では、アラサーになった「向井くん」(赤楚衛二)が、結婚して子供が生まれたりとライフステージが変わっていく周囲の男性たちの姿を見て、自分も彼らと同じようにステージを変えなければと漠然と考え、なんとなーく誰かとつきあってみたりする姿が描かれる。それに対して、向井といきつけのカレー店で知り合った洸稀(波瑠)は、みんなと同じようなコースを辿ろうとしている向井くんに対して、ときに辛辣な言葉を投げかける。
『晩餐ブルース』はというと、テレビ局でドラマの演出家をしている優太(井之脇海)が、念願の職業に就けたものの、仕事に忙殺されており、そんなとき旧友たちと再会し、ただ晩御飯を一緒に食べると言う「晩餐活動=晩活」をするというものであった。
そして、『じゃあ、あんたが〜』は、料理は女性が作って当たり前と思っていた勝男(竹内涼真)が、長年同棲していた鮎美(夏帆)にプロポーズをしたものの別れを切り出され、彼女がいなくなってから初めて、彼女が作っていた「筑前煮」のおいしさを懐かしみ、自分でも作ってみようと試みる。そこで初めて、彼女がいかに、筑前煮を丁寧に作っていたかに気付き、少しずつ変わっていくというものだ。
こうしたドラマの根底には、フェミニズムによって男性が気付かされること、男性にも自身のケアが必要であることや、そこから進んで、性別役割分業が当たり前であった時代が変化していき、役割とはなんであったのか? と考える過程が描かれている。さらに話が進むと、父長制に対しての疑問なども見えてくるのである。
