メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

蓮沼執太が「時代の申し子」たる所以。21世紀の音楽の停滞、その後を佐々木敦と語る

2025.11.19

#MUSIC

蓮沼執太の多彩、多岐にわたる活動のスタート地点

―蓮沼さんはデビュー作品を制作するにあたって、どんなことを考えていたのでしょうか。

蓮沼:当時はフィールドレコーディングをして、パソコンで音を出すことに熱中していました。デビュー作では楽器を演奏した音をあまり入れたくないと思っていましたが、結果的に楽器の存在に頼っている部分もあります。何らかの音楽的な思考とか意図があったというより、形にすることをすごく考えていましたね。

蓮沼執太『Shuta Hasunuma』を聴く(Apple Musicはこちら

蓮沼:でも今考えると、空気が通ってる音としてフィールドレコーディング、空気を通さない音としてパソコンで作る音があって、そこにメロディーや旋律っていう自分の中から浮かび上がってくるものを混ぜるというか。そういうミックスされたものを作りたかったんだなと思います。で、時代はエレクトロニカなのでアウトプットは、エレクトロニカになったって感じです。

―佐々木さんは、どのタイミングで蓮沼さんの活動を認識されたんでしょうか。

佐々木:2007年ぐらいでしたかね。蓮沼君は当時NTTインターコミュニケーションセンター(ICC)でアルバイトをしてて、僕の親友の畠中実とのつながりで「音楽やってるんですよ」って聴かせてもらったのが最初かな。

僕自身はソフトウェアを使い倒して作られた音楽に飽き始めていた時期で、音源をもらって、レーベルやってる人として話をしたような記憶があります。

直感的に、「もっとメロディアスな方向性で、電子音楽だけど歌心があるものが蓮沼君はできる気がする」みたいなことを言って、『POP OOGA』(2008年)をHEADZで出すことになって。こんなに長い付き合いになるとは思わなかったですね。

蓮沼:僕もそう思います。

蓮沼執太『POP OOGA』を聴く(Apple Musicはこちら

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS