行楽の秋も深まる11月2日(日)、3日(月・祝)の2日間、入場無料の多摩川リバーサイドフェスティバル『TAMARIBA2025』が開催される。小田急線「和泉多摩川駅」から徒歩5分の和泉多摩川河川敷が、フェスの舞台へと姿を変え、音楽ライブやフェスならではのフードはもちろん、屋外での映像作品の上映会や、多摩川ならではのアクティビティも楽しめる。
2016年にスタートした『TAMARIBA』は、初年度に3,500人だった来場者も、いまでは18,000人が集まるビッグイベントに成長。今年は、2026年2月に日本武道館公演が決定している藤原さくら、『FUJI ROCK FESTIVAL 2025』にも出演した眞名子新をはじめ、気鋭のミュージシャンも出演予定だ。
フェス好きはもちろん、子どもやファミリー層まで、幅広い世代が一日満喫できるコンテンツに期待が高まる。そんな『TAMARIBA2025』について、インタビューで得た主催者の言葉も交えながら、見どころを紹介していこう。
INDEX
狛江市の有志がDIYで作り上げる無料のローカルフェス
『TAMARIBA2025』のテーマは、「River flows,Life slows」。川とともに時を過ごし、心がほどけていく。そんな『TAMARIBA』での体験を思い描けるようなフレーズだ。
「入場無料の水辺ローカルフェス」を掲げる『TAMARIBA』の舞台となるのは、東京都狛江市の多摩川河川敷。映画『ソラニン』など、多くの映画やドラマの舞台にもなった場所で、かつてはバーベキューや花火を楽しむ人で活気があったが、多くのアクティビティが禁止され、人足が遠のいたという。
そんな多摩川を「もう一度多くの人が楽しめる場所にしたい」、そう考えた有志が集まり、『TAMARIBA』を主催する地元のプロボノチーム「comaecolor」が2016年に立ち上がる。飲食や建築・都市、アパレル、デザイン、音楽など、様々な分野のスペシャリストが揃う多様性のあるチームが、地元狛江市を盛り上げようと動き出した。

メンバーたちは本業の傍ら、多摩川の良さを伝えるために活動し、2016年に完全にDIYで『TAMARIBA』の開催を実現。初年度から入場無料にこだわり、来場者からのドネーションで運営を続けている。支援の額が10万円、50万円と増えていくに連れ、出演アーティストの幅が広がり、トイレを始めとする設備が整うなど、少しずつイベントが発展してきた。

『TAMARIBA』を主催する山本雅美さんはこう語る。
山本:日本でも2番目に小さい市である狛江はマイナーな街かもしれませんが、緑も川もあり、ミュージシャンや映画関係の人も多く暮らす住みやすい街です。その魅力があまり発信されていないので、「狛江の財産でもある多摩川を盛り上げたい」という思いで活動しています。『TAMARIBA』は、「緩く・無料で・続けられるところまで」というスタイルを大事に開催を続けてきました。入場無料ですし、駅から徒歩5分とアクセスも良いので、世代を問わず多くの方に楽しんでいただけると思います。
INDEX
音楽シーンを牽引するアーティストが勢揃い
「水辺直結のフェス」を一番に打ち出す『TAMARIBA』だが、音楽体験にも手を抜かない。いずれもDIYで設営される、多摩川を背景にした「TAMARIBAステージ」、来場者と同じ目線で楽しめる「マーカスステージ」の2ステージに、今年は総勢21組のアーティストが駆けつける。そんな『TAMARIBA2025』に出演するアーティストの一部を紹介しよう。
藤原さくら

耳にすれば誰もが惹かれるスモーキーな歌声が魅力的なシンガーソングライターの藤原さくら。2025年3月にはデビュー10周年を迎え、2026年2月23日(月・祝)には、初となる武道館公演『藤原さくら 10th Anniversary 武道館大音楽会』も開催予定だ。ミュージシャンのみならず、役者やラジオDJ、ファッション分野など多様な分野で活躍しており、今もっとも注目されるアーティストの一人だ。
眞名子新

『FUJI ROCK FESTIVAL’25』にも出演した眞名子新。カントリーやフォークをルーツに持ち、ギターとボーカルというシンプルなスタイルでフォーキーな楽曲を奏でる。2024年、初の全国ワンマンツアーで新代田FEVERでのファイナル公演をソールドアウトさせ、破竹の勢いで成長中のシンガーソングライターだ。自身初のフルアルバム『野原では海の話を』を2025年5月にリリース。
蔡忠浩

bonobosのボーカル、ギター、ソングライターとして2003年にメジャーデビューした蔡忠浩。レゲエやダブを軸に、ネオソウルやチェンバーロックなど多様なジャンルを取り入れながら進化を続け、2023年にバンドを解散した後もなお、唯一無二のサウンドが高く評価されている。ソロ活動でもオリジナルアルバムやカバーアルバムを多数リリースし、CMナレーション、舞台の音楽監督や映像への音楽提供など、活動分野は多岐にわたる。
竹内アンナ

卓越したギタープレイとジャンルに囚われないポップなサウンドが注目を集めている竹内アンナ。同世代からはアイコンとしても注目される、気鋭のシンガーソングライターだ。弾き語りに、DJとのユニットスタイル、エレキをかき鳴らすバンドスタイルなど、多種多様なライブスタイルも話題。自身の音楽活動のほか、KinKi Kids(現:DOMOTO)、坂本真綾、A.B.C-Zなど、国内外のアーティストとのコラボや楽曲提供も行なう。
猪狩翔一

北海道発のロックバンドtacicaから、ボーカル、ギターの猪狩翔一が出演。バンドでは2008年にメジャーデビュー後、人気漫画を原作にしたアニメ『宇宙兄弟』の主題歌や、少年ジャンプ系アニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』や『ハイキュー!!』のテーマソングなど、多くのタイアップ曲を手掛ける。2025年4月には、結成20周年記念公演をヒューリックホール東京で開催した。
磯部正文

孤高のロックバンドHUSKING BEEのギターボーカル、磯部正文。絵描きとしても個展を開催するなど、多彩な活動を行っている。2022年の50歳の節目には、エンジニアに美濃隆章(toe)を迎え、自身がジャケットを手掛けたソロ作品『Day In The Life』をリリースした。2024年にはバンド結成30周年を迎え、日本のパンク、メロコアシーンを走り続けている。
そのほかにも、エルスウェア紀行やCosmic Mauve、YonYonなど、入場無料のイベントにも関わらず、バンドからシンガーソングライターまで、多様なアーティストが多摩川に集結し、イベントを盛り上げる。
 
           
           
           
           
       
           
       
           
       
           
       
           
       
           
       
           
       
           
       
           
           
           
           
           
           
           
          