グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
4月17日は、映像ディレクターの東市篤憲さんが出演。CM制作会社で話題のCM制作に携わり、2011年に代表を務める「A4A」を立ち上げ、BUMP OF CHICKENをはじめ、乃木坂46など様々なアーティストのMVや映像作品を手掛けられてきた東市さんに、38歳で映像監督デビューしてからこれまでのディレクターとしてのキャリアや、ご自身がMVを作る上で大事にしていること、日本と韓国のMVの作り方の違いなどについて話を伺いました。
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38歳にしてBUMP OF CHICKEN“ray”で映像監督デビュー
Celeina(MC):週の最初は番組が推薦する、この方、映像ディレクターの東市篤憲さんです。タカノさんとお2人がつながってらっしゃるというのは、チラッとお伺いしたんですが。
タカノ(MC):この前、岬に行ったんですけれども、東市さんも来てました。
東市:一緒に散歩してね、街を。
タカノ:ドーナツを食べたりとか。嬉しいです。また、こういう形でお会いできて。東市さん、今日はお仕事の話を聞きたいんですが、すごい数のアーティストのMVを手がけられてるじゃないですか。何本ぐらいやってるか数えてたりもするんですか?
東市:大体300本以上やってるんじゃないですかね。
タカノ:(笑)。もうケタが違う。
Celeina:それって年間何本ですか?
東市:年間60本ぐらいはやってると思います。
タカノ:BUMP OF CHICKENは10本?
東市:多分そうですね。リリックビデオとか入れたら12本ぐらいやっているのかな。
タカノ:幅広いですよね。乃木坂46とかAwesome City Club、ONE OK ROCK、GLAYまでやられて。
東市:そうですね、関わらせてもらってます。
Celeina:でも、映像監督デビューされたのは38歳だったのですよね?
東市:それまでは映像プロデューサーとしての役回りだったんですけど、監督の気持ちをわかりたいなと思って。やってみたら、意外と監督の仕事がたくさん来てしまった。
タカノ:しかも初監督作品が、あのBUMP OF CHICKENの“ray”。すごいですよね。
東市:たまたま初音ミクのオペラを作ったのを関係者の方が見てくれていて。それでBUMPと初音ミクで何か面白いことができたらいいねっていう話から始まって。

タカノ:MVがCGじゃないってのは驚きでした。そこから、もう監督としてほとんどやられてるということですよね。
東市:そうですね。たまたまその年に「SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS」のBEST DIRECTOR(年間最優秀ディレクター)に選んでいただいて、そこから仕事がいろいろ来るようになって。今はもう監督の方が多いかな。
Celeina:昔から音楽の仕事に携わりたいっていう想いはあったんですか。
東市:そうですね。MVをたくさん見ていて大好きだったんですよね。国内外のいろんなビデオを見ていて、それで音楽の仕事をしたいなと思ってました。
タカノ:学生時代によく見てたMVってどんなのがありますか?
東市:レッチリ(Red Hot Chili Peppers)が大好きだったんで、レッチリの“By The Way”のMVとかすごい見てました。
Celeina:“By The Way”がリリースされた時ってYouTubeとかないじゃないですか。どういった場所でそういうMVで見られてました?
東市:MTV、あとは『BEAT UK』(フジテレビ)っていう昔、夜中にやってたMVの番組とかで、海外の映像をいっぱい見てましたね。
タカノ:何かこの撮り方すごいみたいな、MVも聞きたいです。
東市:The Smashing Pumpkinsの“Tonight, Tonight”っていう曲のMVが大好きで。あの絵本の中にいるようなMVがオススメですね。
タカノ:スマパンはMV、良いですよね。エモくなるというか。今見るからなのかな。そんな東市さんの会社「A4A」。こちら名前にもいろいろ想いが込められてると聞いたんですが。
東市:「Artist for Artist」をもじったのがA4Aなので、オーダーメイドでアーティストのためのものづくりをしますという会社名なんですね。なので、いろんなアーティストさんがいるって感じですね。
Celeina:東市さんも、MV作ってくださいって話になったら、まずはアーティストさんへのヒアリングからスタートするんですか?
東市:打ち合わせして、どういう気持ちでこの曲を作ったんだろうとか、そういうことから話していくことが多いですね。
タカノ:ちょっと難しいかもしれないですけど、MVを作る上で一番大事にしてるポイントって?
東市:一番大事にしてるのは、やっぱり、その人の記念になるようなもの。写真のように、そのアーティストさんにとって、思い出深いものになったらいいなという思いで作ってます。
Celeina:ちなみに、言える範囲で、今はどんなアーティストのMVを制作中ですか?
東市:今は、のんさんのMVを作っていて、のんさんと一緒にディスカッションしながら、作ってますね。
タカノ:気になりますね。ありがとうございます。では、ここで1曲、東市さんに、この時間にラジオでみんなで一緒に聴きたい曲を選んでもらいました。どんな曲でしょう?
東市:ずばり、レッチリの“バイ・ザ・ウェイ”をお願いします
コンテが30~40ページ! 韓国と日本でのMV制作の違い
タカノ:はい。東市さんの学生時代の思い出の曲。やっぱり、この“バイ・ザ・ウェイ”のMVもレッチリらしさが。
東市:そうですね。レッチリが全部表現されてるっていうMV。カッコ良さもあるし、コミカルな部分もあるし、すごく可愛い部分もあるし、全部が出てる。
タカノ:この話を聞いて、また僕、帰って改めて見ます。東市さん、最近は日本だけじゃなくて海外での制作もあるって聞いてますけど。
東市:韓国のアーティストさんとも仕事をしておりまして。コンセプトが中心になっているので、まず1つのMV5分で、コンテが30~40ページぐらいあったりする企画書とかを作られてるんですよね。
タカノ:日本だと、コンテっていうのはどれぐらいの分量なんですか?
東市:多分、多くても10枚くらいです。
Celeina:シーンチェンジとかも何倍もあるってことですか?
東市:最近、韓国のMVは10回ぐらいシーンチェンジがあったりとか。
Celeina:撮影とか、何日間ぐらいかかるんですか?
東市:3日くらい掛けてやってらっしゃいますね。日本は3日とか掛けるの、あまりないので。1日でバッと撮ることが多い。
タカノ:作り方の時点でも全然、考え方が違いますね。譜割を使ってると聞いたんですけど。
東市:譜割があって、小節ごとに内容がまとめられてるんですね。歌詞と楽譜が載ってる小節ごとの資料みたいなのが作られていて。だから、すごくわかりやすくて展開が作りやすい。韓国のやり方を学んで、最近は、そういうスタイルでMVを作ってますね。
Celeina:これから韓国だけじゃなくて、もっとアジア圏、そして西洋の方へ広がってMVを撮りたいみたいなことあったりします?
東市:撮りたいですね。それがコミュニケーションのツールとなる、作ることによって仲良くなれるみたいなことをしたいなと思います。オファーが来るよう頑張ります。
映像監督になりたい方へのアドバイス
タカノ:東市さんの話を聞いてMVを見ると、いろいろと見え方も変わってくると思うんですよ。あと僕、38歳で映像監督を始められたっていうところはすごく心に残ってて。年齢なんて関係ないのかなっていう気も。
東市:そうですね。僕は監督になれるわけないと思ってたんですけど、なれたので、ゆっくり自分のペースでやりたいことをやれたらいいなと思ってます。
タカノ:これ聞いてる方も、映像監督になりたい方もいると思うんですよね。東市さん、アドバイスがあれば。
東市:自分のペースでやりたいことを伝えていくと、誰かが必ず見ていてくれているので。頑張ってほしいですね。
Celeina:チャレンジを諦めない、続けるってことなんですかね。このMV以外に、これからチャレンジしていきたいことってありますか?
東市:最近「ha | za | ma(ハザマ)」っていう服のブランドのファッションショーを演出してまして。そういった、映像だけじゃなくて空間の演出なんかもいろいろやっていきたいと思います。
タカノ:これからの東市さんの動き、楽しみです。「FIST BUMP」はお友達をご紹介してもらっているのですが、東市さんがご紹介してくださるのはどんな方でしょうか?
東市:スマホ収納サービス「サマリーポケット」などを展開する「Sumally」Founder&CEOの山本憲資さんです。
タカノ:どんな方ですか?
東市:とにかくアートから食から感度が高い人で。あと、音楽に詳しい。オーケストラとか。そういう方ですね。
タカノ:楽しみですね。これ難しいかもしれないですけど、一言でギュッと詰めると?
東市:「面白い人」(笑)。
タカノ:楽しみです(笑)。ありがとうございます。明日は山本憲資さんにつなぎます。
Celeina:「FIST BUMP」今日は、東市篤憲さんでした。ありがとうございました。
東市:ありがとうございました。
GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann