「夏フェス」や「冬フェス」という言葉は、夏祭りやプール、スキー、スノボと同様にレジャーとしてすっかり定着した。各地で開催される「フェス」は現在どのような意味を帯び、どのような役割を担い、どのように発展していくのか。
今回、ロックフェスティバルをテーマに研究を行っている音楽社会学者・永井純一さんに話を訊いた。コロナという変革期を経てフェスはどのような変化を遂げたのか、海外のフェスでも重要視されている人種やジェンダーなどの社会課題に日本のフェスはどのように向き合っていくのか。そして、著書『ロックフェスの社会学――個人化社会における祝祭をめぐって』で議論されたミレニアム世代とフェスの連動のように、Z世代にとってのフェスはいかなる意味を持つのか。もはや音楽好きのための祭典だけではなくなった「フェス」の意義を考えるため、質問にお答えいただいた。
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1977年兵庫県生まれ。関西国際大学社会学部准教授。博士(社会学)。専門は音楽社会学、メディア研究。世界の音楽フェスを巡り、社会との関係を研究する。著書に『ロックフェスの社会学――個人化社会における祝祭をめぐって』(2016、ミネルヴァ書房)、共著に『私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか』(2019、花伝社)、『私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか』(2019、花伝社)、『クリティカル・ワード ポピュラー音楽〈聴く〉を広げる・更新する』(2023、フィルムアート社)など。