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「自尊心が揺らぐから人は悩む」 犬山紙子に聞く、きれいごとと人生相談の意義

2026.3.23

#BOOK

「あなたは素晴らしい」と言い続けること

ー女性向けの相談掲示板「小町拝見」(※)にも寄稿されていますが、どういった基準でトピックを選んでいるんですか?

※読売新聞が運営する女性向け掲示板「発言小町」に寄せられたトピック(相談や悩み)を、専門家や作家が独自の視点で読み解き、論評するコラム。

犬山:面白いな、一緒に考えたい!など様々ですが、二次被害がひどいなと思ったものも選んでいます。セクハラを受けて傷ついたというトピックにも「あなたが悪いのでは?」みたいな回答がついてることがあるんです。明らかに構造のせいで傷ついている人がいるのに、その前提がない中で話が進んでいるんですよね。それには「あなたのせいじゃないよ」と伝えたい。構造を提示しただけで全てが解決することはないし、どうしてもきれいごとに終始しちゃうんですけど、私はきれいごとは絶対に大事だと思っているので。誰も綺麗事を言わなくなったらマジで露悪だらけになっちゃう。

ートピックを書いた人に「わかるー」と言いに行くような。

犬山:そういう意味では、雨宮まみさんの人生相談は本当に素晴らしくて多くの人の拠り所だったと思います。それまでの人生相談は相談者に「あなたもここが悪いじゃん」と書きがちだったんですけど、まみさんは一度その悩みを受け止めて「あなたはここが素晴らしいね」と言ってくれる。そこから始める姿勢に感銘を受けました。

ー今の話を聞いて、悩みを受け止めて一度きれいごとを言うのが、素人が人生相談に乗る意義なのかなと思いました、専門家は間違ったことを言えないですけど、素人は間違っていたとしても一旦は優しいことが言えるというか。

犬山:悩み相談の根本には、自尊心をどう保つかと言うことがあると思うんです。自尊心が揺らぐから悩む。それに対しては直接的なアドバイスをすることももちろんいいんだけど、あなたがどれだけ素晴らしいかと伝え続けることもケアになりますよね。カウンセリングのようなビジネスの関係だと、やっぱりそれは難しいと思うので。

自分に自信がないことが、さまざまな悩みとしてアウトプットされているということも多いと思うんですよね。私自身そうで、この前もSNSである人にブロックされたことに悩んでいたんです。「私の書く文章が偽物だから、それが見抜かれたんだ……」と思ってたんですけど、友達がいかにわたしの文章が好きかを語ってくれて。そしたら、5秒で立ち直って自分でもびっくりしました(笑)。結局、その悩みはわたしに自信がないことが原因だったんですよね。友達が悩んでいたら、一見悩みと関係なさそうでもその人のいいところ、好きなところを伝え続ける。そうやって、みんなの言葉で自尊心を補強できたらいいんじゃないかと思います。

『言ってはいけないクソバイス』

犬山紙子
発行:ポプラ社
四六判 167ページ
定価 1,000 円+税
ISBN:978-4-591-14659-0
Cコード:人生相談 犬山紙子C0095

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