第98回アカデミー賞のノミネートが1月22日(木)に発表された。
『罪人たち』がアカデミー賞史上最多となる16部門でノミネートを果たしたほか、『ワン・バトル・アフター・アナザー』が12部門13ノミネート、『フランケンシュタイン』『マーティ・シュプリーム』『センチメンタル・バリュー』『ハムネット』が8~9部門でノミネートに。


日本映画では、ショートリスト入りをしていた『国宝』や『「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』へのノミネートが期待されていたが、結果的に『国宝』の日本映画として初となるメイクアップ&スタイリング部門へのノミネートに留まった。
他のアジア作品に目を向けてみると、作品賞ではインドの『ツーリストファミリー』、韓国の『しあわせな選択』といった作品がショートリスト入りを果たしていたものの、残念ながら本ノミネートにはならなかった。
国際長編映画賞でもマーティン・スコセッシがエグゼクティブ・プロデューサーを務めたインド代表の『Homebound(原題)』はノミネートに至らなかった。
今後発表を控えるアカデミー賞前哨戦といわれる各映画賞の結果次第でアカデミー賞の結果も大きく左右されるだけに、現時点で予想するのは難しい。多様性を目指し、アカデミー賞が会員数を圧倒的に増やしたことで、前哨戦の結果に流される票が増えてしまったためだ。
ただ、主演俳優の部門では、『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(2024年)に続き2年連続ノミネートを果たしたティモシー・シャラメが頭ひとつ抜けている印象を受ける。すでに「ゴールデングローブ賞」や「シカゴ映画批評家協会賞」などの映画賞受賞を受けた期待の高まりと、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』でみせた体当たり演技による影響だろう。今までのイメージを覆す見事なものだった。

他にも注目なのは、主演女優賞候補のケイト・ハドソン。日本で4月公開予定の『Song Sung Blue(原題)』に出演した。過去には、『NINE』(2009年)、『ライフ・ウィズ・ミュージック』(2021年)、ドラマでは『Glee』といった作品で、ハスキーヴォイスを披露しており、2024年には本格的な歌手活動をスタート。アルバム『Glorious』をリリースした。
今まで映画賞に恵まれてこなかったケイトの主演女優賞ノミネートは運命的なものを感じずにはいられない。『Song Sung Blue(原題)』は、ヒュー・ジャックマンがメインの作品であり、ケイトは、ヒュー演じるマイクを支えるクレア役を演じたに過ぎず、デュエットのシーンでは、引き立て役に徹している。しかし、そんな彼女の圧倒的な歌唱力は圧倒的で、素晴らしい。受賞に期待をしたい。
同部門では、他にも『ブゴニア』のエマ・ストーンの体当たり演技や『ハムネット』のジェシー・バックリーの繊細な演技も見事だった。

誰が受賞するのか皆目検討がつかない作品ばかりの第98回アカデミー賞の授賞式は、現地時間の3月15日(日)に行われ、司会はコナン・オブライエンが務める。
第98回アカデミー賞ノミネート一覧
作品賞:
『F1』
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
『ハムネット』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『罪人たち』
『ブゴニア』
『フランケンシュタイン』
『センチメンタル・バリュー 』
『シークレット・エージェント』
『トレイン・ドリームズ』
監督賞:
クロエ・ジャオ『ハムネット』
ジョシュア・サフディ『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
ポール・トーマス・アンダーソン『ワン・バトル・アフター・アナザー』
ヨアキム・トリアー『シンプル・アクシデント/偶然』
ライアン・クーグラー『罪人たち』
主演男優賞:
ティモシー・シャラメ『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
レオナルド・ディカプリオ『ワン・バトル・アフター・アナザー』
イーサン・ホーク『Blue Moon(原題)』
マイケル・B・ジョーダン『罪人たち』
ワグナー・ムーラ『シークレット・エージェント』
主演女優賞:
ジェシー・バックリー『ハムネット』
レナーテ・レインスヴェ 『センチメンタル・バリュー』
エマ・ストーン『ブゴニア』
ケイト・ハドソン『Song Sung Blue(原題)』
ローズ・バーン『If I Had Legs I’d Kick You(原題)』
助演男優賞:
ベニチオ・デル・トロ『ワン・バトル・アフター・アナザー』
ショーン・ペン『ワン・バトル・アフター・アナザー』
ヤコブ・エロルディ『フランケンシュタイン』
デルロイ・リンドー『罪人たち』
ステラン・ステラスガルド『センチメンタル・バリュー』
助演女優賞:
エル・ファニング『センチメンタル・バリュー』
インガ・イブスドッター・リレアス『センチメンタル・バリュー』
テヤナ・テイラー『ワン・バトル・アフター・アナザー』
ウンミ・モサク『罪人たち』
エイミー・マディガン『WEAPONS/ウェポンズ』
脚本賞:
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
『Blue Moon』
『罪人たち』
『センチメンタル・バリュー 』
『シンプル・アクシデント/偶然』
脚色賞:
『ハムネット』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『ブゴニア』
『フランケンシュタイン』
『トレイン・ドリームズ』
作曲賞:
『ブゴニア』
『フランケンシュタイン』
『ハムネット』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『罪人たち』
歌曲賞:
“DEAR ME”『 Diane Warren: Relentless(原題)』
“Golden” from 『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』
“I Lied To You”『罪人たち』
“Sweet Dreams Of Joy” 『Viva Verdi!(原題)』
“Train Dreams”『トレイン・ドリームズ』
衣装デザイン賞:
『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
『フランケンシュタイン』
『ハムネット』
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
『罪人たち』
メイクアップ&ヘアスタイリング賞:
『フランケンシュタイン』
『国宝』
『罪人たち』
『スマッシング・マシーン』
『アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし』
美術賞:
『ハムネット』
『フランケンシュタイン』
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
『罪人たち』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
編集賞:
『F1』
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『センチメンタル・バリュー 』
『罪人たち』
撮影賞:
『フランケンシュタイン』
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『罪人たち』
『トレイン・ドリームズ』
視覚効果賞:
『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ 』
『F1』
『罪人たち』
『ロスト・バス』
『ジュラシック・ワールド/復活の大地』
音響効果賞:
『F1』
『フランケンシュタイン』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『Sirāt(原題)』
『罪人たち』
国際長編映画賞:
『シークレット・エージェント』:ブラジル
『Sirāt(原題)』:スペイン
『シンプル・アクシデント/偶然』:フランス
『センチメンタル・バリュー』:ノルウェー
『ヒンド・ラジャブの声』:チュニジア
長編ドキュメンタリー賞:
『The Alabama Solution(原題)』
『あかるい光の中で』
『Cutting Through Rocks(原題)』
『Mr.Nobody Against putin(原題)』
『パーフェクト・ネイバー:正当防衛はどこへ向かうのか』
短編ドキュメンタリー賞:
『あなたが帰ってこない部屋』
『Armed Only with a Camera: The Life and Death of Brent Renaud(原題)』
『Children No More: ‘Were and Are Gone'(原題)』
『The Devil Is Busy(原題)』
『Perfectly a Strangeness(原題)』
長編アニメーション賞:
『ARCO/アルコ』
『星つなぎのエリオ』
『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』
『ズートピア2』
『アメリと雨の物語』
短編実写映画賞:
『Butcher’s Stain(原題)』
『A Friend of Dorothy(原題)』
『ジェーン・オースティンの生理ドラマ』
『The Singers(原題)』
『Two People Exchange Saliva(原題)』
短編アニメ映画賞:
『バタフライ』
『Forevergreen(原題)』
『The Girl Who Cried Pearls(原題)』
『リタイア・プラン』
『3人姉妹』
短編実写映画賞:
『Butcher’s Stain(原題)』
『A Friend of Dorothy(原題)』
『Jane Austen’s Period Drama(原題)』
『The Singers(原題)』
『Two People Exchange Saliva(原題)』
キャスティング賞:
『シークレット・エージェント』
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『ハムネット』
『罪人たち』