映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が3月20日(金・祝)に日米同時公開決定となった。
プログラマーとして様々な企業で活躍してきたアンディ・ウィアーが2021年に出版し、ニューヨークタイムズ ベストセラーリスト第1位(*2021年5月)にも選ばれた同名長編小説を元に、ライアン・ゴズリング主演で映画化した同作。Filmed For IMAX 作品として、IMAX®でも上映されることに。アンディ・ウィアーの作品としては、マット・デイモン主演で映画化された『オデッセイ』に続き、映画化2作目となる。
SF映画を巡って、よく論争となるのが、エンタメ要素かSF要素のどちらを強調するかということ。例えば『アルマゲドン』や『ディープ・インパクト』のように、エンタメ性を追求した結果、「科学的にはありえないことが連続して起きる映画」と言われてしまったりもするし、ディスカバリーチャンネルなどで放送されている、科学視点で映画の謎を解明していく番組では、たびたび餌食になっている。
そもそもフィクションであるのだから、それが悪いわけではない。かと言ってSF要素を追求すると画が地味になってしまうことも多々ある。このバランスを両立させるは非常に難しいのだ。
アンディ・ウィアー作品が凄いのは、SF要素の解像度を極限まで高めながら、エンタメとしての満足度も高めてくる点だ。それは『オデッセイ』を観てもわかるだろうし、もはやブランド価値として確立している。その証拠に『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の場合も、小説が出版されてすぐに、映画化企画が浮上してきたほどだ。
断片的に記憶を失った男が、かすかに残る科学知識を駆使し、自分の置かれている状況と立場を理解しながら、さらにそこから新たな問題に直面していくという、極限状況下における密室シチュエーション・スリラー要素も強い作品だが、そこから唯一無二の感動も生まれてくるというのだから期待しないではいられない。
監督を務めるのは、『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズ、『ママと恋に落ちるまで』など、今までにもSF要素のある作品を多く手掛けてきたフィル・ロード&クリス・ミラー。本格的な実写SF映画を手掛けるのは今作が初めてとなることにも注目が集まっている。
そして注目すべきは、脚色を務めるドリュー・ゴダードの存在。『オデッセイ』でも脚本を手掛けたドリューだが、『バフィー 〜恋する十字架〜』のシーズン7第140話「汚れた女」では、罪を犯してし、その罪悪感に苦しんできたキャラクター、フェイスが殺人者から戦士としてやり直せるかどうかの瀬戸際を繊細に描いていた。
ほかにも『LOST』『エイリアス』など、リアルとSFが混在する世界観を見事に描写してきた脚本家だ。つまり今作のなかで、ドリューの存在は、SFと人間ドラマの接続部分で、かなりの強みになっているはず。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
原題:PROJECT HAIL MARY
日本公開表記:2026年3月20日(金・祝)全国の映画館で公開
US公開:2026年3月20日
監督:フィル・ロード&クリストファー・ミラー
脚色:ドリュー・ゴダード
撮影:グレイグ・フレイザー
音楽:ダニエル・ペンバートン
原作:アンディ・ウィアー「プロジェクト・ヘイル・メアリー」(早川書房刊)
出演:ライアン・ゴズリング(『ラ・ラ・ランド』『ブレードランナー2049』『バービー』)、ザンドラ・ヒュラー(『落下の解剖学』)ほか
オフィシャルサイト&SNS
公式サイト:https://ProjectHM.movie
作品公式X:https://X.com/ProjectHM_movie
ハッシュタグ:#映画プロジェクトヘイルメアリー
ソニー・ピクチャーズ公式Instagram:https://www.instagram.com/sonypicseiga/
ソニー・ピクチャーズ公式TikTok:https://www.tiktok.com/@sonypicseiga
<ストーリー>
未知の原因によって太陽エネルギーが奪われる異常事態が発生。このままでは地球の気温は低下し、全人類は滅亡する。この未曾有の危機を回避するため、世界中の叡智が集結。調査の結果、この現象は我々の太陽だけではなく宇宙に散らばる無数の恒星に及んでいたが、11.9 光年先に唯一無事な星を発見。人類に残された策は、宇宙船でそこに向かい、太陽と全人類を救うための謎を解くことだけだった。その “イチかバチかヘイル・メアリー”のプロジェクトのため宇宙に送り込まれたのは、しがない中学校の科学教師グレース(ライアン・ゴズリン
グ)。地球から遠く離れた宇宙でたった一人、自らの科学知識を頼りに奮闘するが、思いもよらない”出会い”が彼の運命を大きく変えることになる──。