2026年に開館100周年を迎える東京都美術館が、100周年記念ロゴと2026年の展覧会ラインナップを公開した。
東京都美術館は、1926年に東京・上野にオープンした、日本最初の公立美術館。2026年は特別展や企画展のほか、アーカイブズ資料展示やシンポジウム、特設サイトの公開など、さまざまな100周年記念事業を予定している。


100周年の記念ロゴは、『東京2020オリンピック』の聖火リレートーチなどを手掛け、世界的に活躍するデザイナー・吉岡徳仁が作成した。吉岡は2011年にも東京都美術館の「シンボルマーク・ロゴ」をデザインしている。吉岡からのメッセージも公開された。
2011年、東京都美術館のシンボルであるロゴマークをデザインさせていただきました。
世界中の人々に親しみを感じていただけるよう、1975年に前川國男氏により設計されたキューブ状の美術館をモチーフにデザインいたしました。
この度は、開館100周年、誠におめでとうございます。
このような特別な節目に、記念ロゴをデザインさせていただけたことを、大変光栄に思います。
これからも、国内そして世界から親しまれる、アートの拠点として、ますますご発展されますことを心よりお祈り申し上げます。
吉岡徳仁
また、記念事業の内容や歴史を振り返る100周年記念特設サイトの公開に先立ち、ティザーウェブサイトが開設された。2026年に開催予定の展覧会ラインナップが公開されている。
<2026年 展覧会ラインナップ>

■特別展『東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画北欧の光、日常のかがやき』
会期:2026年1月27日~4月12日
概要:雄大な自然や心地よい暮らしで知られる北欧への関心が高まる中、スウェーデン美術を紹介する展覧会を開催します。スウェーデン国立美術館の全面協力のもと、スウェーデン美術黄金期ともいえる19世紀末から20世紀にかけて生み出された魅力的な絵画を通して、自然と共に豊かに生きる北欧ならではの感性に迫ります。

■特別展『東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展』
会期:2026年4月28日~7月5日
概要:20世紀アメリカ具象絵画を代表する画家のアンドリュー・ワイエス(1917-2009)の回顧展。91歳で没するまで自分の身近な人々と風景を描き続けたワイエスの作品には、自分のいる側と向こう側を隔てる象徴として窓や扉といったモティーフが多用されます。本展はそれらのモティーフを中心に、ワイエスが描いた世界を見ていきます。
■『東京都美術館開館100周年記念 都美セレクション グループ展 2026』
会期:2026年6月~7月上旬
概要:従来の発想にとらわれず新しい表現を追求する現代作家たちの創作活動の支援を目的としたグループ展です。東京都美術館の展示空間だからこそ実現可能な、グループによる展覧会企画を公募し、審査により選出した3つのグループによる展覧会を開催します。
■企画展『東京都美術館開館100周年記念 この場所の風景-誰のために、何のために、つくられ/記録されてきたのか』(仮)
会期:2026年7月23日~10月7日
概要:日本初の公立美術館として誕生し、美術家たちの作品発表の場として日本近代美術の展開と共に歩んできた東京都美術館。そこから遠く離れた場所で、発表を前提とせずに私的/個人的に展開された美術活動。それぞれの「100年」を並行して振り返ることで、美術の持つ根源的な意味や、美術館の今後のあり方について再検討する機会を創出します。

■特別展『東京都美術館開館100周年記念 大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画』
会期:2026年7月25日~10月18日
概要:4万点に及ぶ大英博物館の日本美術コレクションから、江戸時代の屏風、掛軸、絵巻の絵画作品と、歌麿、写楽、北斎、広重など代表的な8人の浮世絵師による版画を中心に、優れた作品を厳選して紹介します。さらに、近年の調査成果や収集の背景にも光を当てることで同館が日本美術の収集・研究・保存の第一線で果たしてきた役割をたどります。

■特別展『東京都美術館開館100周年記念 オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び』
会期:2026年11月14日~2027年3月28日
概要:「印象派の殿堂」と称されるオルセー美術館のコレクションから、「いまを生きる歓び」をテーマに絵画や彫刻、工芸や写真など約110点を展示。近代化により急速に変わりゆく19世紀から20世紀初頭の社会で生まれた芸術は、絶えざる技術革新の波を生きる今の私たちになお新鮮な視座を示してくれます。ミレー《落穂拾い》をはじめ、ルノワール、モネ、ファン・ゴッホらの作品を通して、多様な歓びのあり様をご紹介します。
■企画展『東京都美術館開館100周年記念 あなたが世界を読むために』
会期:2026年11月19日~2027年1月11日
概要:本展では、アルベルト・ジャコメッティ、砂澤ビッキ、谷川俊太郎、エレナ・トゥタッチコワ、山西ももの作品を通して、アートを「世界を読む」行為として捉えます。身体や言葉、自然を手がかりに表現された作品は、「世界とは何か」という問いを投げかけ、見る者に自身の存在の核心に触れ得るような機会を開いてくれることでしょう。
※この内容は2025年11月6日現在のものです。事業内容は変更する場合がございます。
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