ポルトガルの伝統的な装飾タイルであるアズレージョを用いた、ディオゴ・マシャード(ADD FUEL)によるインスタレーション作品『A JANELA(窓)』が11月28日(金)から愛知・INAXライブミュージアムで常設展示される。
同作品は、2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)ポルトガルパビリオンに屋外展示するため、ポルトガル政府観光局の委嘱により制作されたもの。資源の有効活用など持続可能な運営を掲げた大阪・関西万博の目標を実現させるため、継承先を探していたポルトガル政府観光局から「世界のタイル博物館」を有するINAXライブミュージアムに寄贈の申し出があり、このたび常設展示の運びとなった。

寄贈されたインスタレーション作品『A JANELA(窓)』の作者は、ポルトガルの現代アーティスト、ディオゴ・マシャード(ADD FUEL)。制作に際して日本の文化について調査し「青海波」「雲」「源氏車」「花菱」「龍」「鳥居」「巴紋」など日本の伝統的な文様に注目。敬意を払いつつ再解釈し、ポルトガルの装飾タイル文化に融合させた。開口部は、ポルトガルと日本の文化間の対話への扉、両国をつなぐ象徴的な「窓」として提示されている。同作品は彼にとって日本初の常設展示となる。


この作品は単なる装飾的なオブジェではなく、ポルトガルと日本をつなぐ象徴的な「窓」として構想されたものであり、伝統と革新、記憶と可能性を交錯させるものです。
私にとって「常設」であるということは、この作品が万博という一時的なイベントの枠を超えて、その生命を長く保ち続けるという意味を持っています。
INAXライブミュージアムの理念や空間的な特性を踏まえると、《A JANELA(窓)》がここに収まることは非常に意味深く、ふさわしいことだと思います。手描きのタイルで構成されたこの作品は、陶芸と建築陶器を深く理解するミュージアムの中でこそ、まるで「帰るべき家」にたどり着いたように、より豊かな表情を見せます。
作品の素材的、技術的、象徴的な側面を深く感じ取るための文脈を与えてくれるINAXライブミュージアムが常設の場として選ばれたことにより、単なるアート作品としてではなく、素材の伝統、革新、そして異文化間の対話という広い文脈のなかに位置づけられることになります。来館者も、この作品を単独で見るのではなく、他の作品やコレクション、建築的な表現との対話のなかで見ることができるという、相乗効果が得られるでしょう。作家からのメッセージ ※英語の原文を和訳
作品《A JANELA(窓)》の理想的な恒久展示先として、INAXライブミュージアムを見つけることができたことを大変嬉しく思います。このポルトガルと日本のパートナーシップは、単なるアートを超えたものであり、伝統・職人技・革新に対する深い敬意を共有する二国間の架け橋を象徴しています。今回の取り組みを通じて、Visit Portugal は文化交流を促進し、ポルトガルの創造性を世界に発信するという使命を再認識しています。《A JANELA(窓)》の設置は、両国の文化を結ぶ永続的な対話とつながりの象徴として、多くの来館者に感動をもたらすことでしょう。常滑という新たな地で、この作品が新しい命を吹き込まれる瞬間を心待ちにしています。
ポルトガル政府観光局からのメッセージ カルロス・アバーデ、ポルトガル政府観光局長※英語の原文を和訳
A JANELA(窓)
作家名:ディオゴ・マシャード(ADD FUEL)
制作年:2025
作品サイズ:W182×D63×H244cm
素材:タイル(552枚)、アルミフレーム、ステンレス
タイルメーカー:Viúva Lamego
初出展:2025年日本国際博覧会 ポルトガルパビリオン
寄贈元:ポルトガル政府観光局
【一般公開】 2025年11月28日(金)から
【展示場所】 INAXライブミュージアム メインアプローチ(第2駐車場)
【URL】 https://livingculture.lixil.com/ilm/see/spot/#spot-section01
INAXライブミュージアム
所在地:〒479-8586 愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569-34-8282 FAX:0569-34-8283
休館日:水曜日(祝日の場合は開館)、年末年始 12月26日(金)~2026年1月4日(日)
特別開館日:12月24日(水)
共通入館料:一般:1000円、学生:800円、中高生:500円、小学生:250円/税込
ホームページ:https://livingculture.lixil.com/ilm/
Facebook:https://www.facebook.com/LIXIL.culture
Instagram:https://www.instagram.com/lixil_inaxmuseums/
やきもの製品のテクノロジー拠点、愛知県常滑市にLIXILが開設する文化施設。「窯のある広場・資料館」「世界のタイル博物館※」「トイレの文化館」「建築陶器のはじまり館」「土・どろんこ館」「陶楽工房」「やきもの工房」の7館からなる“体験・体感型ミュージアム”。土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。
※「世界のタイル博物館」では、紀元前から近代まで、世界の装飾タイル7000点以上を収蔵。タイルの歴史や文化を研究すると共に、展示を通してその魅力を伝えている。
