日記を専門に扱う文芸誌『季刊日記』が創刊。創刊号が12月8日(月)に刊行される。
同誌は、商業出版される書籍、個人でつくられるZINEやリトルプレスも含めて「日記の本」が増加している現在、日記を書くこと / 読むことの魅力をさまざまな角度から深められる雑誌を目指し創刊された。日本だけでなく、世界でも類を見ない日記の専門誌となっている。
たっぷり日記を読むことができる「25人の1週間」が定番企画として登場。創刊号では伊藤亜和、武田砂鉄、蓮沼執太、ピエール瀧ら25人の同じ1週間の日記が掲載される。


また、毎号さまざまな特集が組まれる予定。創刊号の特集は「日記のたのしみ」と「日記とホラー」で、植本一子とphaによる対談「すぐ手元から始める、表現のヒント」や、大森時生と山本浩貴(いぬのせなか座)による対談「なぜホラーと日記がブームになったのか」が掲載される予定。

『季刊日記』創刊号

特集:日記のたのしみ/日記とホラー
発行:日記屋 月日(https://tsukihi.stores.jp/)
判型:A5判
ページ数:約350ページ(予定)
発売日:2025年12月8日
※「第7回 日記祭」およびオンライン書店「バリューブックス」にて先行販売
本体価格:1,980円+税
ISBN:978-4-9913584-1-8 C 0095
書籍設計:明津設計(https://akitsusekkei.com/)
◉25人の1週間
多様な執筆者による、同じ1週間の日記
安達茉莉子/伊藤亜和/猪瀬浩平/小沼理/北尾修一/こうの史代/古賀及子/こだま/桜林直子/図Yカニナ/武田砂鉄/ドミニク・チェン/鳥トマト/蓮沼執太/葉山莉子/ピエール瀧/東直子/浮/藤原辰史/堀合俊博/前田隆弘/牧野伊三夫/松浦弥太郎/柚木麻子/尹雄大
◉特集1:日記のたのしみ
対談:植本一子 × pha「すぐ手元から始める、表現のヒント」
インタビュー:福尾匠 × 荘子it「シットとシッポにきく」
エッセイ:金川晋吾/蟹の親子/ネルノダイスキ/品田遊
レビュー:me and you(野村由芽、竹中万季)
◉特集2:日記とホラー
対談:大森時生 × 山本浩貴(いぬのせなか座)「なぜホラーと日記がブームになったのか」
エッセイ:初見健一/柿内正午
レビュー:林健太郎
◉その他
座談会 :株式会社インテージ×日記屋 月日「日記をつけるプラットフォームを作りたい」
読者投稿
次号予告:「日記のくるしみ/日記と植物」
発行元「日記屋 月日」について
日記を書くこと、読むこと、それぞれの魅力をひろめていくための拠点として、2020年4月1日、東京・下北沢に店舗を構えました。取り扱う商品は「日記本」と呼ばれる日付の付いた本のみで、出版社から発売される新刊書籍・古書のほか、リトルプレスやzineなど、自主制作本の取扱いにも力を入れています。このほか、日記だけを集めた即売会イベント、オンラインコミュニティ、ワークショップなどを運営しています。
2024年4月に出版部を立ち上げ、日記に関する書籍を刊行しています(既刊に『誕生日の日記』)。私たちは、日記を書く・読むという行為や、文章そのものに関心を持ち、それを楽しむ人たちにとっての拠点でありたいと考えています。
販売について
オンライン書店「バリューブックス」とのコラボレーションによる予約販売
バリューブックスでご予約・ご購入いただいた方には、特典として『季刊日記』の創刊を記念したオリジナルのステッカーと、日記にまつわるスペシャルトークを収録した音源データ(内容は後日公開!おたのしみに!)をプレゼントします。
予約ページ:https://www.valuebooks.jp/bp/VS0063392438
一般販売
全国の書店でお買い求めいただけます。
NiEW編集部からのひとこと
日記を大学の卒業論文の題材として扱った身として、これは嬉しいニュース! これまで日記を特集した雑誌のような書籍は古いものをいくつか読んだ記憶があるけれど、定期的に刊行されるような文芸誌ってこれまでなかったのだな。「25人の一週間」で並べ読みをして、特集で思考を深めて……どこまでも掴めない日記というメディアそのものを、個人の範疇にとどまらない大きな視点で深く考えていくきっかけとなるのではないだろうか。未来の読者、研究者たちは『季刊日記』を、この時代を、どう捉えるのだろう。(柳瀬)