第1回 『前橋国際芸術祭』が2026年9月から開催される。
同芸術祭は「めぶく。Where good things grow.」をテーマに、2026年9月19日(土)から12月20日(日)までの80日間、アーツ前橋、まえばしガレリア、白井屋ホテル、前橋文学館、前橋市中心市街地エリアなどで開催される。今後は2年に1度継続的に開催されるという。
1990年代の後半から中心市街地の衰退が続いていた前橋は、2016年に未来に向けたまちづくりビジョン「めぶく。」を策定。以来、藤本壮介ら建築家を再開発プロジェクトに起用し、革新的でありながら周囲と調和するデザインとアートの感性を取り入れた都市空間の再整備が、川沿いの親水空間からアーケード商店街へとひろがっている。徒歩圏内に近現代美術館・アーツ前橋をはじめ、元旅館をリノベーションしたアートホテル・白井屋ホテルやコマーシャルギャラリーを集めたまえばしガレリアなどアートに触れられる施設が集まり、アーケード商店街では空きビルを活用したローカルビジネスが誕生している。
芸術祭では、渋谷慶一郎による生成型サウンドインスタレーションを社会実装するプロジェクトや、最果タヒの詩を用いたパブリックアートが計画されているほか、前橋という土地の歴史や原風景を辿るリサーチや作品発表も予定されている。
同芸術祭の総合プロデューサー・田中 仁からはコメントが届いている。
前橋国際芸術祭は、誰か一人の想いから始まったわけではありません。前橋という土地で長年積み重ねられてきたまちづくりの実践と、それに呼応するかたちでアートや文化に惹かれて集まってきた人たちの存在が、見えない根を張り、土壌を耕し、そして今、この芸術祭という芽を押し上げるに至りました。
前橋国際芸術祭 2026
私たちが担うのは、そうした無数の芽吹きを、より遠くまで、より多くの人の心に届くかたちで実装していくことです。アーティストの感性と市民の生活が交差する場をどう創るか。ミュージアムの機能をどう拡張し、まちそのものを“舞台”に変えていくか。そして国内外の観客をどう迎え、次の創造へとつなげていくか。それはまさに、芸術都市・前橋を〈かたちにしていく〉仕事にほかなりません。
この芸術祭に〈国際〉の名を冠したのは単なる外向きの姿勢ではなく、むしろ内なる開放を志向するためです。ローカルな経験と記憶がグローバルな問いと出会う場をつくりたい。分断の時代において、それでもなお越境しようとする人々の想像力を信じたい。前橋にはその受け皿となりうる空気と人の温度があります。
「めぶく。」という言葉には、ただ芽が出るという意味以上に、見えないものがかたちを得て立ち上がっていくという、都市と人間の深い関係性が込められているようにも思えます。私たちはこの言葉を未来の合言葉として、次の時代へと向かう芸術都市の歩みを、共に進めていきたいと願っています。
みなさんとともに、この挑戦を育んでいけることを、心から楽しみにしています。
総合プロデューサー 田中 仁
『前橋国際芸術祭2026』
開催テーマ:「めぶく。Where good things grow.」
会期:2026年9月19日[土]― 12月20日[日](80日間)
主な会場:アーツ前橋、まえばしガレリア、白井屋ホテル
前橋文学館、前橋市中心市街地エリア
Instagram:maebashi_biennale
主催:前橋国際芸術祭実行委員会
実行委員長:小川 晶(前橋市長)