志萱大輔監督の初長編映画『猫を放つ』(英題:Leave the Cat Alone)が、2025年9月17日(水)から9月26日(金)に開催される第30回釜山国際映画祭のコンペティション部門に選出され、同映画祭でワールドプレミア上映される。
同作は2018年に志萱監督の自主制作映画としてスタートし、7年に及ぶ制作期間を経て完成した劇映画。すれ違う夫婦の現在とかつての記憶を揺さぶる友人との再会を通し、過去に引き寄せられながらも今の幸せを探す人々が描かれている。2024年には7年越しに大幅な追加撮影を敢行し、現在と過去がリアルに交錯する作品となった。
主人公・モリ役は、工藤梨穂監督作や同作でも音楽を手掛けるアーティスト・somaとしても活動する藤井草馬。モリの妻である写真家・マイコ役に谷口蘭、モリのかつての友人・アサコ役に村上由規乃が出演している。
同作が選出された釜山国際映画祭の「コンペティション部門」は、注目すべきアジア映画にスポットライトを当ててきた既存のニューカレンツ部門とジソク部門を統合し設立された新たなメインコンペティションの部門。そのため日本映画としては初めての出品となる。
国内での劇場公開は2026年内を予定。映画祭への出品によせて、監督からはコメントが届いている。
ひとり部屋で書いた物語が一本の映画として海を越える時の喜びは、
志萱大輔(監督・脚本)
自己を掘り下げていった先で、未だ見ぬ誰かと出会えるはずだ。と盲信していた制作期間に光が当ったような感覚です。
ただし、その穴は自分一人では到底掘り切れず、映画を信じ共に進んでくれた仲間がいたからこそ貫通し、今僕らに新しい景色を見せてくれようとしています。
この度、『猫を放つ』を世界に向けてお披露目できることを誇らしく、そして嬉しく思います。
『猫を放つ』(英題:Leave the Cat Alone)
出演:藤井草馬 村上由規乃 谷口蘭
望月めいり 宮原尚之 カトウシンスケ 菅原大吉 古矢航之介 佐藤ケイ ほか
監督・脚本:志萱大輔
プロデューサー:板谷洋
撮影:平井諒 三代郁也 照明:颯輝
サウンドデザイン:荒川翔太郎 録音:庄野廉太朗
助監督:志筑司 川名正人 制作担当:古市あきほ
衣裳:松井弥樹 ヘアメイク:仙波夏海
編集:坂田貴大 VFX : 潮杏ニ カラリスト:有賀遼
スチール:志村颯 アートディレクター:Rak 音楽:soma
制作プロダクション:HUT Pictures 配給・宣伝:イハフィルムズ
(2025|ステレオ | カラー | 1.85:1 | 102min)
公式Instagram:@_necowohanatu_
シノプシス
「 あなた今、幸せ? 」という問いが、⾃分に返ってきたとき、
ようやく彼らは ⾃らの現在地点 に⽬を向ける。
モリは、写真家である妻・マイコとの距離を埋められずにいる。
ある⽇、かつての友⼈・アサコとの再会が呼び覚ましたのは、彼⼥への古い愛情。アサコもまたこの再会により、かつての⾃分がモリに惹かれていたことを思い出す。
しかし、彼らの思い出はすれ違う。
ふたりの記憶は、⾃⾝の欲望や期待を含みながら、ぼやけ、歪み、捏造されながら現れる。
⻑い散歩のあとで、アサコは恋⼈が作る得意料理に、モリは妻が写真で残す景⾊の中に、⾃分の今を⾒る。
どこかで軌道が逸れた ふたつの⼈⽣ を感じながら。
© 2025 “Leave the Cat Alone” Film Partners