上映企画『映画監督 森田芳光』が10月14日(火)より東京・国立映画アーカイブで開催される。
同企画では、『家族ゲーム』(1983)、『それから』(1985)をはじめとした森田の監督作品や、森田が脚本を担った『ウホッホ探検隊』(1986)、『キリコの風景』(1998)など、全38作を上映。そのうち、薬師丸ひろ子主演のロードムービー『メイン・テーマ』(1984)、藤子・F・不二雄と組んだSFファンタジー『未来の想い出 Last Christmas』(1992)など15作品は、新たに作製したニュープリントで上映される。
また、日本大学芸術学部放送学科入学後、8mmフィルムで自主映画制作を始めた森田の原点に立ち返り『映画』(1970)をはじめ実験的な試みが目立つ1970年から1972年までの作品群、『水蒸気急行』(1976)、自主製作映画展(現在のぴあフィルムフェスティバル)に入選した『ライブイン茅ヶ崎』(1978)など、公開当時若い世代を中心に支持を集めた森田の8mm作品を上映するプログラムも実施する。
上映にあわせてトークイベントも開催。森田の大学時代の友人で、8mm作品の上映にも携わった広告プロデューサーの河添博幸、漫画コラムニストの夏目房之介、公私にわたり森田のパートナーだった映画プロデューサーの三沢和子、『森田芳光全映画』(リトル・モア)の共著者でもあるライムスター宇多丸らがゲストとして登壇予定。
上映企画の会期中には、展覧会と連動したスタンプラリーを開催。展覧会および上映企画に訪れ、一定数以上のスタンプを集めるとプレゼントが進呈される。
NiEW編集部からのひとこと
お恥ずかしながら「ニュープリント」の存在を知らなかったのだが、マスターフィルムから新たに焼き増ししたフィルムのことで、劣化でコマが飛んだりノイズが乗ったりしない、つまり最も綺麗な状態で鑑賞ができるものだそうだ。最近よくきく「デジタルリマスター」はフィルム=アナログのものをデジタルにして映像を綺麗に修正し保存・鑑賞するものだが、それに対してニュープリントはもちろんフィルム。色調や明暗など、制作されたオリジナルの映像に近づけることが意識されているのだという。フィルムも超・超・高騰している現在、国立映画アーカイブならではの気概のある企画だといえるだろう。(編集部:柳瀬)
『映画監督 森田芳光』(英題:Yoshimitsu Morita Retrospective)
会期:2025年10月14日(火)-26日(日)、11月4日(火)-23日(日)※月曜休館
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU[2階]
主催:国立映画アーカイブ
協力:ニューズ・コーポレイション(森田芳光事務所)
HP:https://www.nfaj.go.jp/film-program/yoshimitsu-morita202510/
問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
チケット:詳細はHPをご確認ください。
上映作品(31プログラム、計38作品)
★はニュープリント上映
1.『の・ようなもの』(1981)
2.『シブがき隊 ボーイズ&ガールズ』(1982)★
3.『(本)噂のストリッパー』(1982)
『ピンクカット 太く愛して深く愛して』(1983)★
4.『家族ゲーム』(1983)
5.『ときめきに死す』(1984)
6.『メイン・テーマ』(1984)★
7.『それから』(1985)
8.『そろばんずく』(1986)
9.『悲しい色やねん』(1988)
10.『愛と平成の色男』(1989)★
11.『キッチン』(1989)
12.『おいしい結婚』(1991)★
13.『未来の想い出 Last Christmas』(1992)★
14.『(ハル)』(1996)
15.『失楽園』(1997)★
16.『39 刑事法三十九条』(1999)
17.『黒い家』(1999)★
18.『阿修羅のごとく』(2003)★
19.『海猫』(2004)★
20.『間宮兄弟』(2006)★
21.『サウスバウンド』(2007)★
22.『椿三十郎』(2007)
23.『わたし出すわ』(2009)★
24.『武士の家計簿』(2010)
25.『僕達急行 A列車で行こう』(2010)★
【脚本家・森田芳光】
26.『3年目の浮気』(1983、中原俊)
27.『ウホッホ探検隊』(1986、根岸吉太郎)
28.『免許がない!』(1994、明石知幸)★
29.『キリコの風景』(1998、明石知幸)
【特別上映】
30.森田芳光初期8mm作品集1.
『映画』(1970)
『天気予報』(1971)
『健康診断』(1972)
『工場地帯』(1972)
『遠近術』(1972)
31.森田芳光初期8mm作品集2.
『水蒸気急行』(1976)
『ライブイン茅ヶ崎』(1978)
『劇的ドキュメント レポート.’78~’79』(1979)
映画監督 森田芳光
上映企画と連動して、展覧会「映画監督 森田芳光」を開催します。
会期:2025年8月12日(火)-11月30日(日)
※月曜日、8月26日(火)-9月5日(金)、10月7日(火)-10月12日(日)は休室
会場:国立映画アーカイブ 展示室[7階]
HP:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/morita2025/
主催:国立映画アーカイブ、ニューズ・コーポレイション(森田芳光事務所)
※詳細はHPをご確認ください。