三田村管打団?の7インチアナログレコード付き書籍『生活と音楽』が8月20日(水)に発売される。
三田村管打団?は関西を中心に活動する、結成23年の長寿&大世帯ブラスバンド。関西のインディー / 即興音楽シーンを語るには避けて通れないトロンボーン奏者の故・大原裕が率いたブラスバンド・LIVE! LAUGH!のメンバーが母体となり結成された。ライブごとにバンドの参加人数が変動し、管楽器や太鼓を携え、商店街、船上、団地、森の中、場所、状況を問わず演奏を披露する。

あたたかく力強い、時に激しい演奏が特徴の唯一無二なサウンドはミュージシャンにも愛され、原田郁子(クラムボン)や二階堂和美、片想いらともコラボレーションを重ねてきた。
そんな三田村管打団?の初めての書籍となる同書は、他に類を見ないバンドの活動から浮かび上がる、日々の生活に根ざした音楽の魅力を紐解く一冊。小田晶房、輪島裕介、吉本秀純、安田謙一による寄稿のほか、三田村管打団?メンバー・森本アリのインタビューなどで構成される。
また、書籍には三田村管打団?初となるアナログレコードがついており、バンドの代表曲である“旅行”“キネンジロー”の2曲が収録される。
同書を出版する和久田書房は、神戸の西部に位置する塩屋町に設立された出版社。過去に細馬宏通『うたのしくみ』、トーフビーツ『トーフビーツの難聴日記』、平民金子『ごろごろ、神戸。』などを手掛けてきた編集者の和久田善彦氏が立ち上げた。今後刊行予定の書籍も制作進行中だという。
2025年に設立された和久田書房は、
和久田書房公式ホームページ内 和久田書房について より
神戸の小さな、海の見える出版社です。
何万、何十万の人に向かってではなく、
誰かにとって大切な一冊になるような本。
それが何かを考え、「これ、おもろいやないか」
と思うものを作っていきます。
同書の形態について和久田は「『生活と音楽』は、レコードが付いてる書籍というか、豪華ブックレット付きのレコードというか……どっちでもいいんですけどそういう作品です」と説明している。
生活と音楽 三田村管打団?「旅行/キネンジロー」


2025年8月20日発売
193mm×193mm/上製 64頁
本体3300円+税
ISBN 978-4-911580-00-4
【目次】
レコーディング・データ/録音メンバー
「小さな社会と移り変わる人生」 小田晶房
「仮面ライダー1号型のローカルなブラスバンド」 輪島裕介
「他に類を見ない、壮大な音楽地図」 吉本秀純
「ゲーム・ボーイのアート・スピリット」 安田謙一
MITAMURA KANDADAN? IN PICTURES
「アバウト・ア・三田村管打団?」森本アリ インタビュー
メンバー名鑑
三田村管打団? 夏&レコ発ワンマン

日時:2025年8月16日 (土) open 17:00 start 17:30
会場:旧グッゲンハイム邸 神戸市垂水区塩屋町3丁目5-17
料金:予約 3,000円 当日 3,500円 U-25 2,500円 介助者・中学生以下無料
主催:三田村管打団?
共催:塩屋音楽会
出店:六甲山系ピカソ、suiro(a.k.a.なぎ食堂)、map、和久田書房
ご予約:以下よりgoogleフォームにてお申し込みください
https://forms.gle/xNLFuAmi8nyYAZVu9
お問い合わせ:旧グッゲンハイム邸
TEL : 078-220-3924
E-mail : guggenheim2007@gmail.com
NiEW編集部からのひとこと
三田村管打団?のライブに行くと、たいてい誰かが泣いている。彼らの代表曲“キネンジロー”のイントロ、トライアングルの「チキチー」音がきこえてきた時の喜びといったら! 直観的に名曲が始まるぞ、と感じてしまうあのイントロはなんなんだろう。フロアの内も外も老若男女1人残さず踊り狂う、そんなピースフルで無尽蔵で圧倒的でハッピーで泣けちゃうような空間を作りあげてきた彼らのこれまでの活動、そして音楽に、ここで改めて敬意を表したい。もちろん、それを書籍という形で未来に繋ぐ和久田氏にも!
和久田書房は三田村管打団?の活動拠点でもあるライブハウス / 文化拠点・旧グッゲンハイム邸の近くに位置し、町内にはリソグラフの印刷所もある。これまでもさまざまなものが生まれてきた塩屋という町で、これからどんなものが生まれるのだろう。町内でものづくりが完結してしまえるまち。東京ではなく、鈍行列車しか停まらない場所でこんなことが起こっているなんて、とんでもないことだと思いませんか。