マームとジプシーによる舞台『cocoon』の記録映像が8月9日(土)から22日(金)の2週間、東京・ユーロスペースにて上映される。
沖縄戦に動員される少女たちに着想を得て、少女たちの視点から戦争を描いた今日マチ子の漫画『cocoon』。この漫画を原作とした舞台『cocoon』は2013年、マームとジプシー・藤田貴大によって上演され、少女たちの賑やかな日常が戦争によって否応なしに死と隣り合わせの日々へと変わっていく様子が描かれた。

2015年には沖縄を含む全国6都市で同作を再演。この再演で藤田は第23回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞、その後も頻繁に沖縄へ足を運び、2022年2月には現代の沖縄に流れる時間を描いた『Light house』を製作した。
そして、2022年の夏には再び『cocoon』の再演を実施。このたび劇場で上映される映像は2022年の上演時に映像監督・河合宏樹によって収録されたもので、800人以上の賛同者によるクラウドファンディングにより完成した記録映像となっている。聴覚障がいの方も鑑賞しやすい日本語字幕付きの上映回が設けられるほか、8月10日(日)には藤田による舞台挨拶を実施する。

また、同じく漫画『cocoon』を原作に制作された特集アニメ『cocoon~ある夏の少女たちより~』が8月25日(月)23時45分からNHK総合で放送される。伊藤万理華、満島ひかりがメインキャスト2人の声優を務める。
そして、『cocoon』演出の藤田貴大、音楽を担当した原田郁子、主人公・サンを演じた青柳いづみの3人による新たなリーディングライブ『koe oto note』が、8月15日(金)に東京・キチムで開催される。『cocoon』の上演以降も世界各地で行われている戦争へ意識を向け続ける彼らが「cocoonの先を生きる私たちの、声・音・言葉で綴られた空間」を立ち上げる。
『cocoon』
原作:今日マチ子「cocoon」(秋田書店)/作・演出= 藤田貴大(マームとジプシー)/音楽=原田郁子
出演:青柳いづみ、菊池明明、小泉まき、大田優希、荻原綾、小石川桃子、佐藤桃子、猿渡遥、須藤日奈子、高田静流、中島有紀乃、仲宗根葵、中村夏子、成田亜佑美/石井亮介、内田健司、尾野島慎太朗
《記録映像》収録・編集: 河合宏樹/ミックスエンジニア:田鹿充(△巛)
収録:2022年/彩の国さいたま芸術劇場/カラー/156分
【概要】
上映期間:2025年8月9日(土)から8月22日(金)まで《2週間限定 予定》
上映時間:8月9日(土),12日(火),14日(木)14:40
8月10日(日)12:15 ※上映後 藤田貴大(マームとジプシー主宰)による 舞台挨拶有り
8月11日(月),13日(水)14:55 ※日本語字幕付き上映
以降は後日ユーロスペース公式HPにて発表いたします。
料金:一般2,000円/大学・専門学校生・シニア1,400円/会員1,300円/高校生900円/ 中学生以下600円/火曜サービスデー 1,300円
☆お得な会員サービス☆年会費1000円(30歳未満は 500円 )で一般料金から【700円】割引
ご鑑賞日の3日前からユーロスペース公式HPと劇場受付で座席指定券を販売いたします。
[オンライン販売]
ユーロスペース公式HP:http://www.eurospace.co.jp/ にて各上映日3日前 00:00 から販売開始(*上映開始1時間前まで)。
[劇場受付販売]
各上映日3日前 劇場OPEN時から販売開始(*座席指定券の販売は各日最終回上映開始前まで)。
【劇場情報】
東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUSビル3F ユーロスペース tel: 03-3461-0211
『koe oto note』
日時:2025年8月15日(金)19:00開演
*18:30より受付開始・開場/会場へのご入場はご来場順です。
会場:キチム
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目14−7 吉祥ビル 地下
料金:一般 5,600円/18才以下 3,600円/未就学児無料
*ドリンク代込み
チケット発売:7月15日(火)10:00〜※SOLDOUT
チケット取扱:Peatix
http://mum-gypsy.com/wp-mum/archives/news/koe-oto-note
NiEW編集部からのひとこと
戦後80年を迎える今年、漫画のアニメ化、舞台化作品の劇場上映と、各方面の作り手が『cocoon』に託した思いを感じずにはいられない。過去の出来事をなかったことにしようとするひと、歪曲して捉えようとするひと、過去から紡がれた糸を断ち切るような言葉が見受けられるようになってしまった。そうした動きに抗って、過去に、そして未来へと手をのばし続けてきた彼女たちの記録を目撃してほしい。
また、巨大な商業作品、というわけではない演劇作品の記録映像が映画館で上映されるというのは新しい可能性だと思う。劇場にしかないものはもちろんたくさんあるけれど、映像だからこそ届けることができる人もたくさんいるはずだ。2025年の8月というタイミングに、1人でも多くの人にこの作品が届くことを切に願います。