写真家・蓮井幹生の個展『十七の海の肖像』が東京・南青山のYUGEN Galleryで6月7日(土)から23日(月)まで開催される。
幅広い分野の撮影を手掛ける蓮井は、これまで「第67回日経広告賞」最優秀賞や「APAアワード2019」美しい日本賞などを受賞。一方で、水平線をキーワードにパノラマカメラで世界各地の風景を撮影したシリーズ『PEACE LAND』をはじめ、「自然の摂理」をテーマにしたアートワークに30年以上取り組んできた。
同展では2023年末から2025年の約1年半、建設中の青森県大間原発を除く日本国内の原子力発電所すべてを訪れ撮影した海景作品17点が初公開。原発自体は画面外に置かれているため、説明がなければどこの海かわからず、海を航行する船舶やテトラポット、サーファーといった人間の気配も画像処理によって消失させている。
「ストレートフォトグラフィ」を標榜する蓮井にとって、こうした作為性は「果たして写真といえるのか」と葛藤があったそうだが、「どんなに時代が進んでも、いつだって海は美しい。水平線は地球本来の姿だという考えもあるけれど、海はすでに目に見えないリスクをはらみ、一線を越えてしまったと感じる。(リスクを)生み出しているのは人間であり、それに苦しめられるのも人間。だから、写真としてのあるべき姿を壊してでも、実際そこにはない架空の海を表現してみたいと思った」と作品に込めた思いを語っている。

期間中の6月8日(日)、14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)にはギャラリートークが予定されており、予約を受付中。蓮井とともに会場内を巡り、展示作品を鑑賞しながら、作品制作の背景や撮影時のエピソード、作家自身の視点を交えたトークを楽しむことができる。入場は無料。
『十七の海の肖像』

■期間:2025年6月7日(土)〜6月23日(月)
■開館時間:平日13:00〜19:00 初日・土日祝日13:00〜20:00
※最終日のみ17:00終了 ※入場は閉場30分前まで ※会期中無休
■場所:YUGEN Gallery
■住所:東京都港区南青山3-1-31 KD南青山ビル4F(株式会社ジーン/オフィス併設)
■入場料:無料
■ギャラリートーク:
6月8日(日)14:00〜15:00
6月14日(土)17:00〜18:00
6月15日(日)14:00〜15:00
6月21日(土)17:00〜18:00
6月22日(日)14:00〜15:00