映画『ガール・ウィズ・ニードル』(英題:The Girl with the Needle)が5月16日(金)より全国公開されることが決定し、特報映像とティザーポスターが解禁された。
北欧史上最も物議を醸したと言われるダグマー・オーヴァーバイの連続殺人事件をもとに描かれる同作。舞台となるのは第一次世界大戦後のコペンハーゲンで、お針子として働くカロリーネは、工場のオーナーと恋に落ちるも身分違いの関係は実らず、彼女は捨てられ失業してしまう。すでに妊娠していた彼女は、もぐりの養子縁組斡旋所を経営する女性ダウマと出会うが、やがてデンマークの「国民的トラウマ」となる事件に発展していく。
予想できないドラマと心理的恐怖を煽る音響や美術セットで高い評価を得ている同作は、日本時間3月3日(月)に発表される第97回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネート中。監督&脚本はマグヌス・フォン・ホーン、音楽はフレゼレケ・ホフマイア、撮影はミハウ・ディメクが務めた。カロリーネ役をヴィク・カーメン・ソネ、ダウマ役をトリーネ・デュアホルムが演じている。
特報映像は、粗末な部屋に横たわる人物のカットから始まり、影が長く伸びる街路を映し出す。一人の女性が扉を開けると、煙を吐き出す煙突の風景、ソファの上で泣く赤ん坊、群衆、叫ぶマスクの男、バスタブの中で息を殺す女などの陰鬱で謎めいた映像が続く。最後に、女性が「赤ん坊はどうした?」と誰かに聞かれる場面になり、回転するオルゴールの円盤の上に「その街では、よく人が消える。」という不穏なコピーが浮かび上がる。
ティザーポスターは、漆黒を背景に一本の針が置かれ、エレガントな雰囲気を醸し出す。しかし、針軸には「その街では、よく人が消える」というコピーが書かれ、針穴を覗くとそこには膝を抱えた女性がうずくまっているデザインに仕上がっている。
『ガール・ウィズ・ニードル』は大人のためのおとぎ話です。私は、はるか昔に起こった物語を語る際にこの手法を選びましたが、現代の私たちにとって非常に身近な問題、つまり貧困に陥り苦難を強いられる人々をどう描くかというテーマが含まれています。そしてまた、本作はデンマーク史上最も物議を醸した殺人事件を取り巻く実際の出来事にインスピレーションを得た作品です。時を超えて語られる国民的トラウマは、今日でも社会の恐怖に目をつぶることが何を意味するのかを私たちに思い起こさせてくれるでしょう。
マグヌス・フォン・ホーン監督からのコメント
『ガール・ウィズ・ニードル』

監督・脚本:マグヌス・フォン・ホーン『スウェット』
撮影:ミハウ・ディメク『EO イーオー』
美術:ヤグナ・ドベシュ『イーダ』
編集:アグニェシュカ・グリンスカ『LAMB/ラム』
音楽:フレゼレケ・ホフマイア 音響:オスカ・スクリーヴァ『THE GUILTY/ギルティ』
出演:ヴィク・カーメン・ソネ『ゴッドランド/GODLAND』、トリーネ・デュアホルム『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』、ベシーア・セシーリ
2024年/デンマーク、ポーランド、スウェーデン/デンマーク語/123分/ 1.44:1/モノクロ/5.1ch/PG‐12/原題:Pigen med nålen/英題:The Girl with the Needle/日本語字幕:吉川美奈子/字幕監修:村井誠人/配給:トランスフォーマー
(C) NORDISK FILM PRODUCTION / LAVA FILMS / NORDISK FILM PRODUCTION SVERIGE 2024
5月16日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ホワイト シネクイントほか全国公開