3月7日(金)より全国上映される映画『Playground/校庭』の本予告、本ビジュアル、場面写真が解禁された。
同作は『第74回カンヌ国際映画祭』国際批評家連盟賞など世界で29の賞を受賞、第94回アカデミー賞の国際長編映画賞ショートリストにも選出されたベルギー映画。『カンヌ国際映画祭』で2度のパルムドールを受賞した同国の巨匠ダルデンヌ兄弟も認めた新鋭ローラ・ワンデルが監督を務めた。
わずか72分の本編は、小学校に入学したばかりの7歳の少女ノラの視点で描かれる。人見知りで友だちがひとりもいないノラは、学校内に居場所がない。やがて同じクラスのふたりの女の子と仲良くなるが、3つ年上の兄アベルが大柄なガキ大将にいじめられている現場を目の当たりにし、ショックを受けてしまう。優しい兄が大好きなノラは助けたいと願うが、なぜかアベルは「誰にも言うな」「そばに来るな」と命じ、一方的にやられっぱなしのアベルの気持ちが理解できないノラは、やり場のない寂しさと苦しみを募らせていく。
公開された本予告では、小学1年生のノラがはじめての学校に不安を抱く中、兄アベルがいじめられている現場を目撃する様子が描かれる。ノラは徐々に友だちもでき、学校生活にも慣れていくが、アベルはいじめでケガをしたことにも周囲に嘘をついて隠し続ける。その後、何かを目撃して「アベル!」と叫ぶノラ。胸が締め付けられるような約100秒の映像となっている。
同じく解禁された本ビジュアルは、ノラとアベルの写真とともに、「ここは私たちの世界(すべて)」というキャッチコピーが配されたもの。仲が良いはずのふたりの間には少し距離が空いており、表情は堅く、こちらを見つめる姿が印象に残るビジュアルとなっている。場面写真も11点が解禁となった。
また、本予告でも一部が使用されている小島秀夫、河瀨直美、森達也によるコメントの全文も公開された。著名人によるコメントは第1弾とされており、今後も追加される予定。
<ゲームクリエイター・⼩島秀夫>
カメラは、いっときも少⼥から離れず、表情だけを追い続ける。
観客は、彼⼥の内側に籠る孤⽴、孤独、苦しみ、哀しみを、最も近い距離で共有する。
本作は「ありふれた教室」で起こる学校版「サウルの息⼦」だ。
彼⼥の⾝の丈から覗く学校世界は、無垢でも平穏でもない。
兄妹たちの“涙の抱擁”に始まり、最後は、また彼らの“涙の抱擁”で終わる。
この涙の変遷。この痛みは、何なんだ。恐るべき映画だ。
<映画作家・河瀨直美>
ハッとさせられる現実に胸が締め付けられる衝撃のラスト
誰かをしっかり抱きしめて、そのぬくもりを感じていたくなる
<映画監督/作家・森達也>
すごいものを観た。ただそれに尽きる。すごい映画じゃない。だって映画を逸脱している。震えた。⼀夜明けて余韻がまだ残っている。こんな体験は初めてかもしれない。
『Playground/校庭』

監督・脚本:ローラ・ワンデル
出演:マヤ・ヴァンダービーク、ガンター・デュレ、カリム・ルクルー(『またヴィンセントは襲われる』(24))、 ローラ・ファーリンデン(『ハッピーエンド』(18))
日本語字幕:岩辺いずみ
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
後援:駐日ベルギー大使館
映倫区分:G
原題:Un Monde
英題:Playground
|2021年|ベルギー/フランス語/72 分/ビスタ/5.1ch
©2021 Dragons Films/ Lunanime