『寺山修司展』が東京・芦花公園の世田谷文学館で10月5日(土)から2025年3月30日(日)まで開催される。
1983年に47歳の若さで没した寺山修司は、表現活動の豊かな可能性を模索し、詩、短歌、俳句、演劇、映画など様々な芸術分野で活躍した。18歳で『短歌研究』新人賞を受賞し、その後は自由詩、歌謡曲の作詞、放送詩(ラジオ)へと分野を広げ、31歳で演劇実験室「天井棧敷」を設立。著書『書を捨てよ、町へ出よう』は多くの若者に影響を与え、演劇や映画でも展開された。



寺山は30歳を前後する1960年代後半に世田谷区下馬へ移り住み、世田谷で過ごした時代は自身のスタイルを演劇や映画などの芸術ジャンルへ移項させた節目であった。その縁ある世田谷の地で開催される同展では、寺山生誕90年に際して、同館が収蔵してきた関連コレクションを一堂に公開。「手紙魔」と言われた寺山が20代前半にしたためた自筆の書簡、「天井桟敷」に関する原稿、台本、ポスターなど、約150点が展示される。

中学校の国語教師へあてた手紙。直接の教え子ではなかったものの、中野は良き相談相手として思春期の寺山を支えた。

「一本の / 樹にも / ながれている血がある / こゝでは血は / 立ったまま眠っている」
戯曲『血は立ったまま眠っている』(1960年 浅利慶太演出 劇団四季)の劇中で歌われたブルースの歌詞。原稿用紙1枚目左上には、鉛筆書きで「一本の/樹にも電柱にも/ながれている血がある/こゝでは血は/立ったまま眠っている」とあり、2枚目で「電柱」が「樹」に直されている。

掲示するとまたたく間に若者たちに持ち去られたという、天井棧敷設立当初の伝説のポスター
『寺山修司展―世田谷文学館コレクション展 2024年度後期―』

会期:2024年10月5日(土)~2025年3月30日(日) *会期途中に整備休館あり
会場:世田谷文学館
住所:東京都世田谷区南烏山1-10-10
展示室:世田谷文学館 1階展示室
時間:10:00~18:00(展覧会入場、ミュージアムショップは17:30まで)
休館日:毎週月曜日(但、月曜が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始(12月29日~1月3日)、館内整備期間(3月10日~18日)
入場料:一般200円(160円)/高校・大学生150円(120円)/65歳以上、小・中学生、障害者手帳をお持ち の方100円(80円)
※()内は20名以上の団体利用や「せたがやアーツカード」等の各種割引料金です
※各種割引については、手帳など証明できるものをお持ちください
※障害者手帳をお持ちの方で大学生以下は無料になります
※障害者手帳をお持ちの方の介添え者(1名まで)は無料になります
※10月5日(土)は60歳以上入場無料、11月8日(金)は65歳以上入場無料
※11月16日(土)・17日(日)はセタブンマーケット開催に伴い入場無料