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アンコールでHSUについて言及
中盤のMCで、YONCEは一言こう触れた。「今日は夏至ですよね。陽が一番長い日ですよ。普段いないやつもいるんじゃない? そんな気がする」。そのあとに歌った“MINT”の<何も無くても 笑えていればいい/何も無くても 歩けさえすればいい>というフレーズが突き刺さる。生きてさえいれば、それでいい。
そのあとに演奏されたのは、復活後第一弾シングルとして発表された“Whole of Flower”。白と金色の光が混ざり合う中、<Sadness is not gone in my head but/笑おう ただの1日を>というフレーズが、清らかな歌声と祈りを込めたピアノの音色、SuchmosらしいDJのサウンドの中で鳴り響く。哀しみを引き連れながらも温かさのある光、つまりは綺麗事でない希望の形を、今のSuchmosは音楽で浮かび上がらせてくれる。
アンコールではHSUについて触れて、「失ったものは帰ってこない、絶対に。だから、ずっと覚えていたいし、ずっと想っていたいなと思います。一瞬、目を瞑って深呼吸しません?」と呼びかけて、みんなで想いを馳せる時間を作った。「こういうの嫌だっていう人もいるよね、ありがとう」と、みんなの気持ちの自由を尊重する言葉まで添えるところもSuchmosらしいスタンスを貫いた。そして「クソバカな友達に贈ります」と言って演奏したのは、これまたEP『Sunburst』に収録予定のない新曲“Stand By Mirror”。歌詞をすべて聴き取れたわけではないが、これはHSUに<捧ぐ とっておきのナンバー>だろう。YONCEの「クソバカ」やOKの「バカヤロー」には、「なんで逝ってしまったんだよ」という想いが滲み出ているようだった。