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顔や体型以外から滲み出る人間性

陸は妻と息子と母を愛し、穏やかな生活を送るパティシエ。儀堂は裏社会に浸かり、金と欲にまみれた警察官。プロフィールだけでもわかりやすく真逆であるが、ドラマを見ているとその立ち居振る舞いにも違いがあることがわかる。陸は基本的に丁寧で控えめなコミュニケーションをとり、誠実な喋り方をする。甘いものが大好きで、スイーツを前にしたときは、目尻が下がる。一方で儀堂は、立ち姿からみなぎる自信が伝わり、自分の立ち回りを微塵も悪いと思っていなさそうだ。周囲の人物に対する態度も高圧的。光のない伏し目、ゆるまない口角など、表情変化も乏しい。甘いものは苦手で、料理もできない。陸と儀堂を比べると、見た目を同じにしても態度、話し方、言葉遣い、好み、味覚などいたるところにそれぞれの人間性が滲み出ていることが分かる。
本作で、顔を変えて誰かになりすますという突飛な設定が描かれたことで、顔や体型は、あくまで人を形作るものの一部分でしかないことに、改めて気付かされた。