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『未来のムスコ』レビュー 夢と生活の折り合いの難しさを描くファンタジー親子ドラマ

2026.2.24

#MOVIE

©TBSスパークル / TBS 
©TBSスパークル / TBS 

「だんない」という言葉に込められたもの

育児に奮闘する未来を支える親友の沙織(西野七瀬)©TBSスパークル / TBS 
育児に奮闘する未来を支える親友の沙織(西野七瀬)©TBSスパークル / TBS 

未来のキャラクターを色濃く表すのが、「だんない」という言葉だ。富山の方言で「大丈夫」を意味し、もともとは未来の亡き父・剛士(淵上泰史)が、幼い頃の未来を励ますためにかけてくれた言葉である。「だんない」と笑う未来は、さながら朝ドラヒロインのようでもあり、その言葉はムスコの颯太にも受け継がれていた。

けれど同時に、この「だんない」は、助けを求める前に、自分で辛さや苦しさを飲み込んでしまう合図のようにも響く。特に颯太がやってきた序盤、まさか自分のムスコが未来からやってきたなんて誰にも言えず、心の準備も育児のノウハウもないまま、未来はしゃかりきに子育てに向き合っていた。そんな状態で発せられる「だんない」には、ときおり胸が苦しくさせられた。

もしかしたら颯太は、「だんない」による自己犠牲の呪いを解くために未来からやってきた存在なのかもしれない。一人で子どもを育てるという極限状態に置かれるのはかなりハードだが、それでも物語が折り返しを迎えたいま、未来は少しずつ周囲にSOSを出せるようになってきたように思える。将生、優太、親友の沙織(西野七瀬)、そして夢に反対していた母・直美(神野三鈴)との関係も、颯太を通して、ゆっくりと結び直されたようだ。

そして今は、「だんない」と声をかけてくれる颯太がいる。かつては自分を奮い立たせるためだけの言葉だったそれが、颯太の愛らしくて温かい「だんない」は、誰かと支え合うための合言葉にも聞こえてくるのだ。

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