『悪魔のいけにえ』が公開50周年を記念して2026年1月9日(金)に4Kデジタルリマスター版として劇場公開される。
『ポルターガイスト』、『スペースバンパイア』などで知られるトビー・フーパーの一番の代表作といえば、原点にして最高傑作の『悪魔のいけにえ』に他ならない。人間は『悪魔のいけにえ』を観ているか、観ていないかで、その後の人生が変わるともいわれている。とくに映画やドラマに限らず、ホラー作家を目指す者にとっては、教育番組のようなものであり、スラッシャー映画の元祖だ。実在のシリアル・キラー、エド・ゲインをモデルとした、人皮マスクを被る大男レザーフェイスが、チェーンソーを振り回して襲ってくる姿は、トラウマ体験として記憶に残っている人も多いのではないだろうか。
エド・ゲインは、他にも『羊たちの沈黙』のバッファロー・ビルや『サイコ』のノーマン・ベイツといった多くのキャラクターに影響を与え、下敷きとなっているが、狂気性と、根底にある哀しさを荒々しく、そしてストレートに表現したのは、後にも先にもレザーフェイス以上の存在は考えられない。
『悪魔のいけにえ』の魅力は、単にレザーフェイスの存在感だけに頼ったものではない。アメリカにおける1970年代の社会不安のなかで、保守的な田舎、見知らぬ地に足を踏み入れた若者たちが、未知の恐怖に襲われていくというのは、物理的なものに留まらず、精神的恐怖も刺激。また、そういったプロットを定番化させた作品でもあり、全ての「コミュニティホラー」「田舎ホラー」の下敷きになっていると言っても過言ではない。
第37回東京国際映画祭で上映されたドキュメンタリー『チェイン・リアクションズ』では、『悪魔のいけにえ』という作品が、いかに世界に影響を及ぼしたかを、関係者や映画作家などのインタビューを交えて浮き彫りにしていくもので、三池崇史も『悪魔のいけにえ』愛を語っていたように、決して大げさではなく、人生を変える作品なのだ。
そんな『悪魔のいけにえ』が1975年の日本公開から50周年を記念して、4Kデジタルリマスター版が劇場公開に。今回のリマスター版は、公開40周年リマスター版をベースとしていながらも、潰れていた暗部のディテールやテキサスの乾いた日差し、色彩表現、そして音声もオリジナル版をリスペクトとしながら最大限に恐怖演出を引き出した、公開50周年記念版となっており、単なる再上映ではない。
そして公開を盛り上げるためのポスターアートにも注目してもらいたい。『キラーコンドーム』、『発狂する唇』といった作品のポスターアートを手掛けてきたことでも知られるアーティスト、ロッキー・ジェリー・ビーンのアートポスターも使用されている。同アートは、2022年に270枚限定で米MONDOから発売されたものだが、この度、公開50周年のアートとして採用されることになった。
ちなみに劇場グッズとして、オリジナルのシルクスクリーン版とは一回り小さいものの、まさかの低価格でプリントポスターが販売される。貴重なポスターが手に入るのも、この機会のみだ。
『悪魔のいけにえ 4Kデジタルリマスター 公開50周年記念版』

オリジナル版アメリカ公開:1974年10月
日本公開:1975年2月1日
監督・製作 : トビー・フーパー
脚本 : キム・ヘンケル、トビー・フーパー
出演 : マリリン・バーンズ、アレン・ダンジガー、ポール・A・パーテインほか
1974年/アメリカ/カラー/83分/
原題:THE TEXAS CHAIN SAW MASSACRE
配給:松竹 R15+
公式サイト movies.shochiku.co.jp/akumanoikenie/
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2026年1月9日(金)公開
【ストーリー】
テキサスの田舎町をドライブ旅行中の5人の若者。立ち寄った古い家で、人皮のマスクを被った大男「レザーフェイス」とその一家に遭遇する。逃げ場のない家でチェーンソーが唸りを上げ、狂気の宴が始まる…!