アニメシリーズ機動戦士ガンダムは、富野由悠季が『勇者ライディーン』や『無敵超人ザンボット3』などで一貫して描いてきた「戦争の現実」を、より切実なかたちで押し出した作品として、ロボットアニメの枠を超えた存在へと成長してきた。その姿勢は放送開始から数十年を経た現在に至るまで受け継がれ、今なお新作が生み出され続ける巨大なシリーズへと発展している。
そんな『機動戦士ガンダム』シリーズには、テレビシリーズだけでは語り尽くせないほどの背景やドラマを背負ったキャラクターが数多く登場する。そのため、彼らの物語を掘り下げるサイドストーリーが小説や漫画で描かれることも珍しくない。実際、2022年には第15話に登場した兵士の視点から戦争を描き直した『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』が劇場公開され、大きな反響を呼んだ。
富野由悠季自らが執筆した同名小説を原作とし、2021年に公開された『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、そうしたサイドストーリーの系譜の中でも、とりわけ重要な位置を占める作品だ。本作では、『機動戦士Zガンダム』で初登場し、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では13歳の少年ながら戦争の現実を目の当たりにしたハサウェイ・ノアが成長し、反地球連邦組織マフティーのリーダーとなった未来が描かれる。偶然なのか必然なのか出会ってしまったハサウェイ、ギギ・アンダルシア、ケネス・スレッグ3人の運命が交錯していく様を描く、全3部作構成の物語である。
先日、ガンダム公式YouTubeチャンネル「ガンダムチャンネル」で公開されたPV「The Life of Hathaway Noa」では、ハサウェイの初登場から現在に至るまでの歩みが編み直され、彼がいかに戦争と運命を共に生きてきた人物であるかがあらためて浮き彫りにされた。
ハサウェイは、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(より厳密には小説版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』)において、アムロ・レイとシャア・アズナブルの狭間に立たされる存在として描かれた。想いを寄せていたクェス・パラヤの戦死は、彼に強烈な喪失と現実を突きつけ、精神的な成長を強いる出来事となった。『閃光のハサウェイ』では、ミステリアスなギギにかつてのクェスの面影を重ねながら、理想と現実のあいだで葛藤し、「戦争とは何か」「正義とは何か」を自らに問い続けるハサウェイの姿が描かれていく。
本作は、独自の世界観や洗練されたメカニックデザインに加え、極めてリアリズムに徹した濃密な人間ドラマによって高い評価を受け、ガンダムファンのみならず多くの映画ファンから続編への期待を集めてきた。
そしていよいよ、1月30日(金)より第2部『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』が公開される。原作とは大きく異なる展開が用意されているとも噂されており、ハサウェイ、ギギ、ケネス3人の運命は、さらなる加速を見せていくことになりそうだ。
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』

原作:富野由悠季/矢立 肇
監督:村瀬修功
脚本:むとうやすゆき
キャラクターデザイン:pablo uchida/恩田尚之/工原しげき
キャラクターデザイン原案:美樹本晴彦
メカニカルデザイン:カトキハジメ/山根公利/中谷誠一/玄馬宣彦
メカニカルデザイン原案:森木靖泰/藤田一己
美術設定:岡田有章
美術監督:大久保錦一
色彩設計:すずきたかこ/久保木裕一
ディスプレイデザイン:佐山善則
CGディレクター:増尾隆幸
撮影監督:大山佳久
特技監督:上遠野学
編集:今井大介
音響演出:笠松広司
録音演出:木村絵理子
音楽:澤野弘之
企画・制作:サンライズ
製作:バンダイナムコフィルムワークス
配給:バンダイナムコフィルムワークス/松竹
ハサウェイ・ノア:小野賢章
ギギ・アンダルシア:上田麗奈
ケネス・スレッグ:諏訪部順一
レーン・エイム:斉藤壮馬
ガウマン・ノビル:津田健次郎
ケリア・デース:早見沙織
イラム・マサム:武内駿輔ほか
作品公式サイト:https://gundam-official.com/
作品公式X:https://x.com/gundam_hathaway
2026年1月39日(金)全国公開
【ストーリー】
U.C.0105、シャアの反乱から12年——。
圧政を強いる地球連邦政府に対し政府閣僚の暗殺という方法で抵抗を開始した「マフティー」。そのリーダーの正体は、一年戦争をアムロ・レイと共に戦ったブライトの息子、ハサウェイ・ノアであった。
不思議な力を示す少女ギギ・アンダルシアにかつてのトラウマを思い出すハサウェイ。彼女の言葉に翻弄されながらもマフティーとしての目的、アデレード会議襲撃の準備を進めるが……。
連邦軍のケネス・スレッグは自ら立案したアデレード会議の支掩作戦とマフティー殲滅の準備をする中、刑事警察機構のハンドリー・ヨクサンから密約を持ちかけられる。
そして、ハサウェイ、ケネス、それぞれが目的のために動く一方で、ギギもまた自分の役割のためにホンコンへと旅立つ。