小説家・ロアルド・ダール流のブラックユーモアが炸裂する、名作『チャーリーとチョコレート工場』と、その前日譚で地上波初放送となる『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』が、金曜ロードショーでバレンタインデー直前の2月6日、13日に2週連続放送されることが決定した。
ロアルド・ダールといえば、アン・ハサウェイ主演で映画化された『魔女がいっぱい』(2020年)、ミュージカルにもなった『マチルダ』(1996年)、『ファンタスティック Mr.FOX』(2009年)など、多くの児童文学の名作を生みだしてきた。第二次世界大戦において、戦闘機パイロットとしての戦争体験のトラウマが、作風にも少なからず影響しており、とくに初期作からはそれを強く感じさせるものが多く、いつしかそれがロアルドの作風の1つとして認識されるように。児童文学の中にも、ブラックユーモアや社会風刺を反映させたトラウマシーンが毎回存在しており、必ずしもハッピーエンドになるとは限らない。むしろ、起こってしまったことは元には戻せない……という嫌な余韻を残すのも特徴といえる。
そんなロアルドの最高傑作と言われているのが、1964年に発表された『チョコレート工場の秘密』。1971年には、メル・スチュワート監督によって映画化された作品である。少年が謎のチョコレート工場に足を踏み入れるというストーリーは、ミステリー色も強いことから、一時は『シックス・センス』(1999年)のM・ナイト・シャマラン監督によって映画化する企画も浮上したほど。
ロアルドに影響された映画人はシャマランやギレルモ・デル・トロだけではない。ティム・バートンもそのひとりである。ロアルド原作の『ジャイアント・ピーチ』(1996年)ではプロデューサーとしても参加していたが、ついに『チャーリーとチョコレート工場』で監督を務めることになった。ロアルドのブラックユーモアと、バートンの奇抜なセンスは見事に融合し、唯一無二の世界観を構築してみせた。それと同時に、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003年)で一般的なスター俳優として認知されるようになっていたジョニー・デップを、再びクセの強い役に引き戻して作品でもある。
そして『チャーリーとチョコレート工場』から18年の2023年に公開されたのが、前日譚となる『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』である。映画の前日譚というよりは、原作の前日譚という位置づけと言った方が正しいだろう。
こちらはミュージカル作品であり、『SING/シング』(2016年)で音楽担当を務めた作曲家、ジョビー・タルボットが音楽を手掛け、主人公ウィリー・ウォンカ役のティモシー・シャラメが歌唱シーンも吹き替えなしで挑んでいる。また、日本語版では花村想太(Da-iCE)が同役の吹替えを務めており、聴き分けてみるのもおすすめだ。
ミュージカルになったことで、エンタメ性は圧倒的に強くなっていたが、やはりロアルドのブラックユーモアは確実に生きていた。シンプルにエンタメ作品として楽しめるものの、ロアルドの作家性を感じながら、2作品を観てみると、また違った視点が見えてくるかもしれない……。
『チャーリーとチョコレート工場』(2005年 米)
2月6日(金) よる9時00分~10時54分
◆監督 :ティム・バートン
◆音楽 :ダニー・エルフマン
◆原作 :ロアルド・ダール
◆出演()内は日本語吹替
ウィリー・ウォンカ:ジョニー・デップ (宮野真守)
チャーリー・バケット:フレディー・ハイモア (冨澤風斗)
お母さん(バケット夫人):ヘレナ・ボナム=カーター (渡辺美佐)
ウンパ・ルンパ : ディープ・ロイ
【ストーリー】
美味しいお菓子で世界中の人々を魅了するウィリー・ウォンカ(ジョニー・デップ)が声明を発表。「ウォンカの工場ついに公開!幸運な5人の子供たちに見学を許す」。ウォンカ製のチョコレートに入った”ゴールデン・チケット”を引き当てた5人の子供とその保護者を特別に工場に招待するというのだ。選ばれた幸運な5人の1人、チャーリー・バケット(フレディー・ハイモア)は、家が傾くほど貧しい家の育ち。失業中の父(ノア・テイラー)と母(ヘレナ・ボナム=カーター)、そして寝たきりの老人4人の7人で暮らしていた。一年に一枚しかチョコを買えないチャーリーだったが、幸運にも、奇跡的に“ゴールデン・チケット”を手に入れる事が出来たのだった。ウォンカの工場は、15年間、誰一人出入りしたことがないにもかかわらず、世界一のチョコレートをつくり続ける謎に包まれた工場。その不思議な工場で、チャーリーたち5人の子供たちが目にした夢のような世界とは……?
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』
2月13日(金)よる9時00分~11時19分 放送枠25分拡大
※地上波初放送・本編ノーカット
◆監督・脚本:ポール・キング
◆原作:ロアルド・ダール
◆製作:デイビッド・ヘイマン
◆脚本・出演:サイモン・ファーナビー
◆音楽:ジョビー・タルボット
◆出演()内は日本語吹替
ウィリー・ウォンカ:ティモシー・シャラメ(花村想太(Da-iCE))
ヌードル:ケイラ・レーン(加藤千尋/セントチヒロ・チッチ)
ウンパルンパ:ヒュー・グラント(松平健)
警察署長:キーガン=マイケル・キー(長田庄平(チョコレートプラネット))
神父:ローワン・アトキンソン(松尾駿(チョコレートプラネット))
スラグワース:パターソン・ジョセフ(岸祐二)
ウォンカの母:サリー・ホーキンス(本田貴子)
幼少期のウォンカ:コリン・オブライエン(Lynn)
コリン:フィル・ワン(増子敦貴(GENIC))
【ストーリー】
ウォンカの夢は、亡き母と約束した世界一のチョコレート店を開くこと。世界一おいしくて、空だって飛べるウォンカの“魔法のチョコ”は、町のみんなを虜に!しかしそこは<夢見ることを禁じられた町>――その才能を妬んだ“チョコレート組合3人組”に目をつけられてしまう。
さらに、ウォンカのチョコを盗むウンパルンパというオレンジ色の小さな紳士も現れたから、さあ大変!果たしてウォンカは無事にチョコレート店をつくることができるのか……?