2026年1月14日(水)から日本テレビ系水曜ドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』が放送される。

主演を杉咲花、監督 / 脚本を今泉力哉が務める同作は、杉咲演じる主人公・土田文菜がこれまでに経験してきたさまざまな別れや叶わなかった恋などから、人を好きになることに怖れを抱き「大切な人とはつきあわないほうがいいのではないか?」「そもそも恋愛とはなんなのか?」などと逡巡しながらも前に進んでいくドラマ。今泉がオリジナル脚本を書き下ろし、初めてGP帯ドラマの監督を務めることとなる。

主⼈公・⽂菜の学⽣時代から現在に⾄るまで、それぞれの恋⼈と過ごした時間や恋愛感情も丁寧に描かれていく同作。⽂菜の恋愛軸を形成した男性たちのキャストは後⽇発表される。
杉咲と今泉からはコメントが届いている。
杉咲 花 コメント
Q今泉力哉監督の脚本を読んだ感想を教えてください。
言ってしまえば、とりたてて大きな事件が起きたり、登場人物が成長するようなこともあまりない物語なんです。でも、何気ない人と人とのやりとりの中で流れる「間」とか、小さな心の機微にも、思いやりや切なさがある。
あまりドラマにならないような、シーンとシーンの間にきっと繰り広げられているであろうささやかな瞬間ばかりが描かれていて。今泉監督らしい細やかな視点の優しさに筋肉がゆるまって、ふぅ、と息を吐きました。
Q主人公・土田文菜はどんな人ですか?どのように演じていきたいですか?
文菜(あやな)は、人を好きになるということから少し距離を取ってしまう自分自身について、葛藤したり、思考を繰り返したりしながら、真剣に生きている人です。
もしかすると文菜の行動は、共感からは離れるものかもしれません。ですが、時間の有限性であったり、どんな出会いにも別れが付きまとうことに対して、深い寂しさを感じてしまう感度の高さに、私は惹かれています。
文菜という人物を本当に実在する人のように観てもらえるように、ただそこにいられたらいいなと思います。
Q本作の好きなポイントは?
一言の失敗も許されないような緊張感が張り詰めたこの時代に、自分の意思を持ったり、気持ちを伝えるということは、なんだか高いハードルがある気がします。そんな中で、悩み、失敗や反省もしながら、自分なりの答えを見つけ出していこうとする登場人物たちに、勇気をもらっています。
Q視聴者の皆さんへ、メッセージをお願いします。
この座組で連続ドラマをやれることをたまらなく思っています。
恋愛をするひと、しないひと。恋愛がよくわからないひと、したくないひと。
自分という人間をいまも探しているひと。人の数だけ、いろんないろんな生き方があって。
多様な登場人物たちに、自分や家族や友達の姿を見つけだしてもらえるような作品にできたらいいなと思います。だらっと息抜きしながら観てもらえるように、私たちも気を楽にしながら、心を込めたいと思っています。
今泉力哉 コメント
Q「冬のなんかさ、春のなんかね」とはどのような作品ですか?
誰かを好きになって、想いを伝えてつきあうことで、逆に決定的な別れがやって来て、その⼈ともう⼆度と会えなくなってしまうことがある。その⼀⽅で、お互いに惹かれ合っていても適度な距離を保った関係でいられたら、ずっと仲良く過ごすことができたりもする。じゃあ、本当に⼤切な⼈とは、好きな⼈とは、縁が切れないために恋愛関係にならない⽅がいいのではないか。そういう⼈と⼈との距離間について、ここ数年考えることが多くあって。それが今回のドラマの⼤きなテーマの1つになっている気がします。
これは紛れもなく恋愛ドラマですが、これまでのドラマや映画の中ではあまり取り上げられてこなかったような、⾔葉にできない悩みや葛藤について描けたらいいなと思っています。
誰かに相談したら、“どうしてそんなことで悩んでるの?”と⾔われるようなことが描きたくて。なかなか好きな⼈ができない⼈とか、“恋愛もの”というだけでハードルが⾼いと思うような⼈、そもそも“好き”ってなんだっけ?っていう⼈にも楽しんでもらえるような作品になればいいなと思っています。
Qタイトルについて、教えてください。
<⾔葉>ってその響きや⽂字の並びによって、重さや軽さ、柔らかさなど、さまざまな表情があると思っていて。今回はなるべく重⼒がない⾔葉を探していました。 “なんかさ”とか“なんかね”という⾔葉は、それ⾃体としてはあまり意味を持たないけれど、ひとつの⾔葉を発する際にどれだけその⾔葉を真剣に発しているのか、⾔葉にすることを怖れているのか、などが表現できる気がして。また、今作はほぼほぼ会話劇で、冬から春の間にいろんな話をしていることを象徴するタイトルをずっと考えていて、この⾔葉に辿り着きました。
Q杉咲さんが主演を演じることで楽しみにしていることは?
以前ドラマでご⼀緒してみて、杉咲さんにはとても繊細で真⾯⽬で、⾯⽩い⽅だなという印象を持っています。⽂菜って、何に悩んでいるのかも漠然としていて、脚本を書いた⾃分でも理解できない部分がある⼈間なので、演じるのがすごく難しい役柄だと思うのですが、そういった部分も杉咲さんとだったら⼀緒に悩んで、考えて、楽しんで、いい作品をつくっていけるのではと思っています。杉咲さんの思考と、声や⾝体の魅⼒とともに、このドラマをつくれることはとても光栄で⼤変⼼強いです。
Q視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
主⼈公の⼟⽥⽂菜は万⼈から好かれるようなキャラクターではないかもしれません。でも、“私は⽂菜のことがすごくわかる”とか“⾃分だけかもと思っていた悩みや苦しさを描いてくれている”と思ってくれる⼈が必ずいると信じて脚本を書いています。
恋愛って、考えれば考えるほどわからなくなってしまったり、呼吸がしにくくなってしまったり、しなきゃしないでいいものだったりするのですが、そういった⼈々が⽂菜を⾒て、今のままでいいんだ、とか、私だけじゃないんだ、と思ってもらえたら幸いです。
私は普段、主に映画を⼿がけているのですが、ある時、杉咲さんが「今泉さん、ドラマもとてもいいんですよ」って⾔ってくださったことがあって。お茶の間だったり、⼀⼈暮らしの部屋だったり、バイト先の休憩室だったり、⾏きつけの定⾷屋の天井の隅っこのテレビだったり。思い思いの場所で、たくさんの⼈が同時視聴する“テレビドラマ”という媒体で、この物語を届けられること。また、オリジナル脚本でこんな機会を頂けたことに感謝しつつ、この作品に触れた⼈が少しでも笑えたらいいなと思っています。お楽しみに。
新水曜ドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』
2026年1月14日 スタート 毎週水曜よる10時
主演 杉咲花
脚本 今泉力哉
音楽 ゲイリー芦屋
監督 今泉力哉 山下敦弘 山田卓司
プロデューサー 大倉寛子 藤森真実 角田道明 山内遊
チーフプロデューサー 道坂忠久
制作協力 AX-ON Lat-Lon
製作著作 日本テレビ
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⼟⽥⽂菜(つちだあやな)27歳。
⼩説家として2冊の⼩説を出版し、3冊目を迷いながらも執筆中。
普段は古着屋でアルバイトをしながら生活している。
恋人も仲良しの友達もいて、幸せは幸せなのだけれど。
恋愛⾯において、
どこか “きちんと⼈を好きになること” を避けてしまっている節がある。
それには過去のさまざまな恋愛体験も⼤きく影響していて……
⾃分の好きと相⼿の好きは違う気がする。
失いたくないから好きな⼈とはつきあわない。
寂しさとか優しさとか決めつけなさとか、
手に入れることで失うものとか、
離れることで気づけることとか……
曖昧で正解のない“恋愛”というもの。
冬と春の間を⾏き来するように、
迷って、悩んで、“好き”が煮詰まっていく—-。
間違いながらも真剣に⽣きる主⼈公・⼟⽥⽂菜をめぐる
普段着の恋の物語。