映画『女性の休日』が、10月25日(土)より東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。
同作は、1975年10月24日にアイスランドに住む全女性の90%が仕事や家事を一斉に休んだムーブメント「女性の休日」を描いたドキュメンタリー作品。このムーブメントにより国は機能不全となり、アイスランドが「ジェンダー平等先進国」となる大きなきっかけとなった。インターネットもスマートフォンもなかった時代に、女性たちがどのように連帯し社会を変えるムーブメントを成功させたのかを、ユーモア溢れる当事者たちの証言とアーカイブ映像、カラフルなアニメーションで振り返る作品となっている。
このたび、1975年の「女性の休日」のアーカイブ映像が特別解禁された。映像は、アイスランドの広場に集まった、当時の人口21万人の10%以上にあたる2万5千人の女性たちの様々な表情を捉えたものとなっている。また同作の制作過程で、エンドクレジットソングを提供したビョークも、10歳で「女性の休日」に参加していたことが判明した。社会活動家だった母親の影響で参加したものと考えられており、本編中にはフルートを握りしめながらステージを降りていく一瞬の姿が写り込んでいる。
さらに、坂口涼太郎、岨手由貴子、武田砂鉄、夏木マリ、ブレイディみかこからの推薦コメントも届いている。
「休日」がなかった女性たちのユーモアと聡明さが社会を変えた。
坂口涼太郎(俳優)
ホットドッグも作れない男性たちは女性たちが休んでやっと気づいた、「俺たち楽ちんに生きすぎている!」と。ものすごく長い間、男性が考えた男性主体の社会構造だったのだから、女性をはじめ、今まで「休日」がなかった人たちの願いや要望をまだまだ速攻で叶えていかなだめですね。
日本もアイスランドに続こうや!
女性というだけでは一枚岩になれない。
岨手由貴子(映画監督)
子供がいる私は連休のたびに「また祝日?!」と発狂するが、学校や保育園の先生たちは休日を楽しんでいるだろう。もしくは別の雑事に追われているか……。
休日に休むのは難しい。それは1975年も同じだった。
それでも呉越同舟で「休む」という態度をとった女性たちがとても楽しそうで、なんか元気が出た。
社会はこうして変わる。
武田砂鉄(ライター)
道を塞いでいるのは誰か。
ものすごくハッキリ見える。
“休日”という名で
夏木マリ
女性たちが動いた1975年のアイスランド。
「結婚したけど、自分自身でいたかった」――そんな思いが時代を動かした日をあなたは目撃する!
今年出版された『SISTER ”FOOT” EMPATHY』で書いたアイスランドのウィメンズ・ストライキのドキュメンタリーが、日本でいま公開されるなんてなんという偶然だろう……。「あの日の出来事」には、散らばった点と点をつなぎ、見知らぬ人と人を出会わせて、大きなうねりをつくりだす不思議な力が宿っている気がする。
ブレイディみかこ(作家・コラムニスト)
シスターフッドはどこにでも転がっているが、広げていくのは生やさしいもんじゃない。それでも、やるんだ、のスピリットで本当にやっちゃった彼女たちの胆力が、時空を超えた引力となって私たちを引き寄せ続ける。
また、東京のシアター・イメージフォーラムにて10月26日(日)に上野千鶴子(社会学者)、11月2日(日)に富永京子(社会運動研究者)、大阪の第七藝術劇場にて10月30日(木)に浜田敬子(ジャーナリスト)とアルテイシア(作家)によるトークイベントも予定されている。
『女性の休日』

1975年10月24日、アイスランド全女性の90%が仕事や家事を一斉に休んだ、前代未聞のムーブメント「女性の休日」。
国は機能不全となり、女性がいないと社会がまわらないことを証明した。その後、アイスランドは1980年に世界初の民主的選挙による女性大統領が誕生し、16年連続でジェンダーギャップ指数1位(2025年現在、世界経済フォーラム発表。日本は118位)を維持している。このように、アイスランドが「ジェンダー平等先進国」となる大きなきっかけとなった、歴史的な1日を振り返るドキュメンタリーが50周年を記念して劇場公開となる。インターネットもスマホもない時代に、女性たちがどのように連帯し社会を変えるムーブメントを成功させたのか。その知られざる全貌とそれぞれの物語が、ユーモア溢れる当事者たちの証言とアーカイブ映像、カラフルなアニメーションでポップに、エモーショナルに語られる。
監督:パメラ・ホーガン
出演:ヴィグディス・フィンボガドッティル、グズルン・エルレンズドッティル、アウグスタ・ソルケルスドッティル 他
エンドクレジットソング:ビョーク
2024年/アイスランド・アメリカ/アイスランド語・英語/71分/原題:The Day Iceland Stood Still
後援:アイスランド大使館 提供・配給:kinologue © 2024 Other Noises and Krumma Films.