11月7日(金)より全国で公開される三宅唱監督最新作『旅と日々』(原作:つげ義春『海辺の叙景』『ほんやら洞のべんさん』)の本予告が解禁となった。
同作は三宅唱が監督を務め、原作であるつげ義春『海辺の叙景』『ほんやら洞のべんさん』を現代にアップデート。シム・ウンギョンを主演に、べん造役に堤真一、渚役を河合優実、夏男役を髙田万作が演じる。そして、つげ作品に欠かせない俳優・佐野史郎がひとり二役で花を添える。
第78回ロカルノ国際映画祭のインターナショナルコンペティション部門にて最高賞である金豹賞、ヤング審査員賞特別賞をW受賞。第30回釜山国際映画祭に新設されたコンペティション部門、第73回サン・セバスチャン国際映画祭の多様で驚くべき映画、新しいアングルやフォーマットに挑戦する映画を上映するサバルテギ・タバカレラ部門に正式出品され、話題を呼んでいる。
このたび解禁となった本予告では、佐野史郎演じる魚沼教授が「いまはなにか新しいものを書いているんですか?」と脚本家・李(シム・ウンギョン)に尋ねるシーンから始まる。「気晴らしに旅行にでも行くといいですよ」という教授の言葉に導かれるように、李はひとり北国を訪れる。たどり着いたのは、ものぐさな主人・べん造(堤真一)が営む、雪深い山奥の古びた宿。脚本を書いている李にべん造は「幸せな気分さ、なる話はどうだや?」と問う。
並行して描かれるのは、李の脚本世界。強い日差しが照りつける人気のない海辺で、夏男(髙田万作)はどこか陰のある女・渚(河合優実)と出会う。「こんなところがあるなんて知らなかった。生き返ったって感じ」とつぶやく渚のセリフに呼応するように、雪のなかで目を閉じ、周囲の音に耳を澄ます李の姿が映し出される。
『きみの鳥はうたえる』『夜明けのすべて』に続きタッグを組んだHi’Specが手がけた音楽が、物語に懐かしくも新しい感覚を与える。「特別じゃない旅が、ちょっとだけ毎日を変える。」というコピーが表すような、予感に満ちた予告編となっている。
『旅と日々』
11月7日(金)TOHOシネマズ シャンテ、テアトル新宿ほか全国ロードショー
シム・ウンギョン
河合優実 髙田万作
斉藤陽一郎 松浦慎一郎 足立智充 梅舟惟永/佐野史郎
堤真一
監督・脚本:三宅唱
原作:つげ義春「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」
音楽:Hi’Spec
製作:映画『旅と日々』製作委員会
製作幹事:ビターズ・エンド カルチュア・エンタテインメント
企画・プロデュース:セディックインターナショナル
制作プロダクション:ザフール
配給・宣伝:ビターズ・エンド
©2025『旅と日々』製作委員会
https://www.bitters.co.jp/tabitohibi
行き詰まった脚本家が旅先での出会いをきっかけにほんの少し歩みを進める――
世界の映画祭が注目する三宅唱監督が贈る、今秋最注目の珠玉のロードムービー
強い日差しが注ぎ込む夏の海。ビーチが似合わない夏男が、影のある女・渚に出会う。何を語るでもなく、なんとなく散策するふたり。翌日、また浜辺で会う。台風が近づき大雨が降りしきる中、ふたりは海で泳ぐのだった……。
つげ義春の漫画を原作に映画の脚本を書いた李。「私には才能がないな、と思いました」と話す。冬、李はひょんなことから訪れた雪荒ぶ旅先の山奥でおんぼろ宿に迷い込む。雪の重みで今にも落ちてしまいそうな屋根。やる気の感じられない宿主、べん造。暖房もない、まともな食事も出ない、布団も自分で敷く始末。ある夜、べん造は李を夜の雪の原へと連れ出すのだった……。