映画『存在のすべてを』が2027年、全国の劇場で公開される。
同作は2024年本屋大賞にノミネートされ、第9回渡辺淳一文学賞を受賞した、作家・塩田武士による同名ミステリー小説が原作。1991年に発生し、未解決のまま時効を迎えた二児同時誘拐事件の真実をめぐる物語が描かれる。
主演は『ドライブ・マイ・カー』(2021年)で第45回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した西島秀俊。旧知の刑事の死をきっかけに、事件の真実を求め再取材を重ねる新聞記者・門田次郎を演じる。監督は、『糸』(2020年)『ラーゲリより愛をこめて』(2021年)などを手掛けてきた瀬々敬久。
同作は、2025年8月下旬からクランクインを予定。主演の西島、監督の瀬々からはコメントが届いている。
脚本を読み、二児同時誘拐事件をめぐる手に汗を握るサスペンスと重厚な人間ドラマに感動しました。
西島秀俊
瀬々監督と本格的に映画でご一緒するのは1998年の「冷血の罠」以来になります。
時代の空気や土地から匂い立つ気配、そして人間の業を深く描かれてきた監督と27年ぶりにご一緒できるのは本当に楽しみです。
観客の皆さんに心から楽しんでいただける作品になるよう、心を込めて演じたいと思います。
『存在のすべてを』は原作の塩田武士さんが、まさに足で稼いだと言っていい小説です。現実の場所に足を運び、そこの空気を直に感じて書き上げられた小説。想像の産物でありながら現実を超えるようなリアリティはそこから来ている気がします。この小説を映画化する。すこぶる難儀であり、大いなる挑戦になる仕事だと思っています。そして主演の西島秀俊さんとは約30年ぶりの映画作り。西島さんの一見柔らかでいながら一気に炸裂する精神に再び出会えることにワクワクしながらも、この間の30年が自分たちや世界にとってなんであったのか、何を失ったのか。まるで小説の主人公たちが30年前の事件に再び接していく様の写し絵のように今、感じています。『存在のすべてを』、このタイトルの重さに恥じない映画を、送り届けたいと思っています。
瀬々敬久
『存在のすべてを』
2027年全国公開
監督:瀬々敬久
出演:西島秀俊 ほか
原作:塩田武士「存在のすべてを」(朝日新聞出版刊)
配給:東映
Ⓒ2027「存在のすべてを」製作委員会 Ⓒ塩田武士/朝日新聞出版