書籍『NHKの電子音楽』が7月12日(土)に刊行される。
これまで『武満徹の電子音楽』『日本の電子音楽』などを著してきた電子音楽研究の第一人者・川崎弘二による同書は、NHK(日本放送協会)において制作された電子音楽作品群の全体像を初めて包括的に明らかにする一冊。1950年代から2000年代にかけて、日本の音楽史、放送史において重要な役割を果たしたNHKの電子音楽スタジオの活動と、それにより生まれた1956年の黛敏郎と諸井誠による”七のヴァリエーション”、1966年のカールハインツ・シュトックハウゼン(Karlheinz Stockhausen)の”テレムジーク(Telemusik)”、1967年の湯浅譲二”ホワイト・ノイズによるイコン”などの成果を、膨大な資料とともに記録する。
また、1925年の東京放送局開局によってもたらされたラジオの登場に伴い、新たな音響表現が模索された黎明期から日本の電子音楽の歴史が綴られており、人名索引、主要作品リストも含め1432ページという圧倒的なボリュームで構成される。
発売日となる7月12日(土)は、日本のラジオ放送(本放送)開始から100周年の節目。早期購入特典として、12月までに書籍挟み込みの応募はがきから申し込むと、作曲家・諸井誠が電子音のみを素材にして1962年にNHKで作曲した純電子音楽”ヴァリエテ”の手書き楽譜(全22枚)の複製がプレゼントされる。



『NHKの電子音楽』

著者:川崎弘二
頁数:1,432頁
仕様:A5判・上製(函入)
装画:駒井哲郎「夜の森」(1958年)
装幀:佐々木暁
定価:19,800円(税込)
発売日:2025年7月12日(土)
発行:フィルムアート社
ISBN:978-4-8459-2504-9